朝の色々。
重い。
体が重い。
何だか分からないが苦しい。
なんでだ?
周りをみると良く分からない日本語が浮いている。
黒。藍。紫。暗そうなオーラを纏った文字達。
理不尽な意味を押し付けられたからか、怒り狂い自分の体を締め付けている。
雁字搦めな手、足、腹、首。
「やめろぉおぉおぉ!。やめてくれぇぇえぇえ!。」
大声で叫ぶ。
しかし言葉届かず徐々に強くなる拘束。
ああ、これが一巻の終わりというやつか、と諦めかけたその時、目の前に裂け目。
裂け目が砕かれ、中から光るタマが飛び出して来た。
あらわれる希望。
歓喜する自分。
やった!これで助かる!ありがとうタマ!
タマの右手が白く輝き、理不尽な文字列に鉄槌を下す。絶対的な一撃。
ガキィン!
壊文致命の音。
文字列がバラバラになる。
が、理不尽な文章は強かった。
直ぐに繋がりを取り戻し、タマを拘束。
光を失ったタマは理不尽な文章に引っ張られ闇の中へと飲まれて行った。
「タマああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!。」
………
……
…
はっと目が覚める。
額につくあぶら汗。
なんだか変な夢を見ていた。
見ていたはずなんだけども、よく思い出せない。
「にゃぁ~ん。」耳に入る猫の声。
「にゃぁ~ん。」2回目。この感じ、タマじゃないな。
体を起こし、声の方を見ると右耳が欠けた黒猫。
どっかから侵入し、部屋に入ってきた野良猫だ。ずっと鳴いてる。
いつもどうり腹が減ってるんだろう。
「少し待ってね、ハマチ。」
自分が勝手につけている名前を呼ぶと、通じたのか鳴き止むハマチ。
流し台の下から買い貯めてある猫缶を持ってくる。
缶を開け、お皿に移し、ハマチの前に置く。
ハマチがガツガツと食べ始める。
すぐに食べ終わり「にゃぁ。」と一鳴きし、どこかへ消えていった。
多分また一週間ぐらいしたら猫缶を食べにくるだろう。
お皿を洗いEクラスダンジョンに行く準備。
まずどこにあるか場所探し。
スマホで調べる。
取り合えず近場ではタケノコダンジョンから徒歩10分の所にあるらしい。
そこに行くとしよう。
Eクラスダンジョンについてさらに詳しく見ていく。
基本的にモンスターは2等級魔石を落とし、複数種類のモンスターが出現。
行く予定のダンジョンでは主に石トカゲやスケルトンが出るとのこと。
名前の感じからして打撃武器が効きそうだ。ハンマーでも買って持ってこう。
指輪をはめ、リュックにお酒を追加し、ポケットにスマホを入れると、奥の方になんかある。
ポケットから取り出してみるとぐちゃぐちゃになって丸まった紙。
なんかの紙を洗濯機で回してぐちゃぐちゃにしてしまったみたいだ。
なんの紙だったか思い出せないが、ポケットに入れっぱなしにしたということは、たいして重要でない紙だった。そうに違いない。うん。そうだ、そうだ。
丸まった紙をゴミ袋に入れ、タマと一緒にアパートを出る。
途中、ホームセンターに寄り大きめのバールの様な物を購入。打撃武器かくほぉ!
電車で30分、徒歩で10分程移動し、何事もなくダンジョンセンターに到着。
なんとなく漏れ出すあくび。
そうじとタマはダンジョンセンターに入って行った。
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