タケノコのBOSS。
タマと共に進む。
体が重いのでゆっくり歩く。
問題なくタケノコは倒せている。
が、
二日酔いで体が悲鳴を上げている。けっこう辛い。
現れる反省の念。
我々飲酒人は、お酒を愛する心以上に休肝日が必要なのだと、体を大切にすべきなのだと心に刻み付けた。
今日と明日はお酒を飲むのを止めよう……。
硬く決意する……。いや善処します……。
前向きに検討します………。
タマに先導してもらい2層に到達。
青空に竹林は変わらないが、地面が石畳になっている。歩きやすい。
パッとみた感じ、人もいない。
ここを今日の狩場とする!
脳内で目標設定。
今日は体調が思わしくないないので魔石集めはいつもより少なめにしよう。
目標数を100にする。
2層に着く前に15体程倒しているから残り95体かな。
最後にボスを倒して夕方前に帰ろう。
確かここのダンジョンボスはちょっと大きいイノシシだったはず。
初心者ダンジョンのボスとしては強いらしいが、まぁ何とかなるでしょう。
やることが決まったので行動開始の宣言をするぞ!
「行動開始ぃぃぃ!」
ゆっくり歩いてタケノコを踏む。タケノコを踏む。
親の仇の如くタケノコを踏む。
これも生きるため、生活のため、推しのため、タケノコを踏む。
ふむふむふむこと4時間半。
何とかのろのろと100個の魔石を集めきった。
途中から、今まで体当たりしてきたタケノコが自分を見つけると逃げ出すようになった。走れば回り込めるぐらいの足の遅さだったが、効率が悪くなった。
タケノコが逃げ出すのは自分が強くなった証拠ってことにしておこう。
第一目標の魔石100個が達成されたのでダンジョンボスに挑戦。
魔石集め中に見つけたボスがいそうな開けた場所に移動。
タマのうしろを歩いて進む。
そうじじゃなければ誰がいる!?
どっかで聞いたようなフレーズで自分を鼓舞し、気合注入。
開けた場所の中心に近ずくと周りの竹林が大きく揺れ動き、飛び出してくるモンスター。
はぁ?
聞いていた話と違う。
飛び出して来たのはソリを引くタケノコ達と、ソリに乗った悪そうな顔をした、太り散らかした赤いキノコだった。
呆然としていると、ソリを引いていたタケノコ達は逃げ出し、小学校高学年ぐらいのでっぷりしたキノコは葉巻を捨て、ゆっくりと近づいてきた。
感じる刺激。
くせぇ。
このキノコめっちゃくせぇ!
げろ以下の匂いがプンプンする!
不快感の限界値に達したため、このデブキノコには現実から卒業していただこう。
あ、
今の今になって気が付く。
スライムもタケノコも踏んで倒してきた。
やっべ、武器持ってきてないじゃん。
しかたない。
腹をくくる。
男の子だろう?
腹から全力で声をだす。
「殴り合いじゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ‼」
激臭に汗と涙と鼻水を垂れ流しながら、殴り合いは5分続いた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます