第121話 縁の下の権力持ち
防音魔道具を作動させて芋虫達の目隠しを解除する。
多分五月蝿くなるから代表して一人だけ口の拘束も解く。
「き、君達は一体何者なのかね?」
喋れる様になったが恐る恐ると言った
「おいおい、秘書さんは自分で殺しを指示したタ
珍しくパイセンが喰い付いたw
「ふ、不当にウチの先生を拉致したテロリストだと言うのですか」
先生、ねぇ……
「不当な密輸で迷惑掛けられた組織から、正当に依頼を受けたプロフェッショナルですが何か?www」
ついでに言わせてもらえば俺ちゃん達だって、その先生とやらの指示による攻撃に巻き込まれてバッチリとばっちり受けてるのよね……つまりは先生攻撃?
「だまれ!国家百年の計を案ずるベテラン議員であらせられる先生の深慮遠謀から見れば多少の不正など些事に過ぎん!」
深慮遠謀じゃなくて遠慮や辛抱とかを覚えて欲しいね。
「へぇ?ベテランだったの?あの
ベテラン、ねぇ……とっくに退役してくれてた方が本人の為でもあったんだけどなぁ……
「知らないのか!?8期連続の大ベテランで支持者の層も厚く、数多くの後援者を擁する大政治家ヨーク=ヴォ=ケイ先生だぞ!」
知らんがな。
「そしてヨーク先生の盟友“地元商会の友”ゼニスキー先生をはじめ“名調停者”シリシ=ヨーク先生、“予算の魔術師”ゼニー=ゲバルト先生、“公共工事の錬金術師”ハイキーン先生、いずれも名だたる大先生に仕える我々は憂国の同志として集い、勉強会を発足したのだ。」
あの手のアタオカ議員の支持者が組織票を除いても一定数存在するのは、こういう実態の伴わない美辞麗句でまくし立てる連中が粉骨砕身してアナウンスしまくって騙して回ってるからなんだろうなぁ。
自分で考えるのが苦手な人なら洗脳されちゃうよねー。
「ふーん、で、その大先生www達はどんな偉業を残したの?」
確か8期連続で効果的な政策案にチャチャ入れ続けてお茶を濁す程度のレベルに引き下げてくれた実績があったっけな……
「先生方は常に派閥の縁の下の力持ちとして地味ながらも議会を支え続けて来られたのだ!そして様々な改革にご助言や苦言を呈されておられる。」
間違った年と取り方すると苦言と称した説教もどきを吐いてる時が一番気持Eんだとか……あれだな、歌ってる本人だけが逝っちゃってる独創的なメロディラインの強制提供みたいなモンか。
「うーん、なんかさー、1つだけでいいからパッと出て来ない?その先生方が関与して現状も有効に機能してる仕組みなりルールとかさwww」
guyの弊害は見事に機能して議会で実のある議事進行が阻害されとるぞ〜。
「うぐっ……そ、それは……そうだ!各々の出身地での商業活性化活動や街道整備など華々しい成果を上げられておられる!」
ん?漢字間違えてないか?
「後援商会とのパーティーなんて癒着が進むだけで活性化とは真逆だぞ。そして街道整備?あぁ、使用頻度による格付けに要らん嘴挟んで無駄に風化させてる街道作っちゃった案件か。交通量多いところの路面が悪いから雨降るといっつも同じ場所で渋滞起こしてるよなwww追跡調査とかちゃんとしてるのか?www」
君が歩けば道になる、誰が歩くか分からなければ未知となる……あ、地味子さん、
「そ、それは……」
「いいか?そもそもなんで任期が決められてるか理解してる?www」
おー、いい加減二の句が継げなくなったかなw
「それだけの時間があれば議員として何かしら出来るって見込まれてる期間が任期なんだよ、それが二期も三期も熟して“やり残した事があります”ってのは無能の証なんだよwww」
デスヨネー。
「じっ!人材が居ないのだよ、先生方の様な経験豊富な政治家などおいそれと育つものでは無い!」
お?ロウソクが消える前のアレか?
「議会ってのは立法府なんだろ?仕組みや環境作るのが仕事なのに後進が育たない仕組みや環境しか作れないのは仕事してないって言ってる様なもんだろwww」
「は、派閥の若手議員への指導等でどうしても必要な方々なのだ!」
ムチを入れても有益な事が何一つ始動しない指導……あ、地味子タンどもども(照)
「指導が必要?まさか1期目は色々な勉強しなきゃいけないとか考えてないよな?いやいや勉強してから立候補するもんだろ。むしろそうやって若手の芽を摘んでるってお気づきになられてない?www」
「ぐ、ぐぬぬぬ……」
はーい、ぐぬりモード入りました!秘書さんのHPはとっくにゼロよ!
「確か1期4年だったよな、30年も何やってたの?ヤジ飛ばすか昼寝くらいしかしてねーだろ。アンタ自分の子供に“これが大人の会議の場です”って、“お父さん達の仕事です”って胸張って言えるのか?正直教育に悪すぎて子供に見せたくないわwww」
公共の電波に乗せるには憚られる内容ですなw
さーて、そろそろ締めますか。
「はーい、何か言いたい事ある人は挙手してねー。そしたら必要に応じて一部拘束を解きまーす。初等学校で教えてる“話し合いの基本ルール”ですからねー。」
あーあ、いい年した大人が揃いも揃って涙目じゃんw
「さて、諸君らの担いだ御輿も諸君ら自身も無駄に時間と金を浪費してきた現実を理解してもらいました。ここからは精算のお時間です。」
サービスタイムしゅーりょー、口元の拘束を作動させる。ここからはお口にチャックですよー。
「安心しろ、殺しはしない。殺してやらない、秒単位で反省できる様に取り計らってやるよ。」
そうね……密輸してた薬物、その依存症に関する治療法確立に貢献して貰おうかな。
脳味噌パープリンな状態にならない様、細心のサポートで常に飢餓感や倦怠感などリアルなレポートが出来る様な環境を提供致しますよ。
お前らに泣かされた人の溜飲を、少しでも下げてもらえる程度には地獄を見てもらうからな。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます