第100話 地域開発
情報は入れていたけどドワーフ達から景気が良くなってると言う話を良く聞く。
王国と帝国との経済交流が活発化しているのだ。
王国からは近年技術発展目覚ましい鍛冶製品の輸出、そして帝国からはパペットを呼び水として様々な魔道具が目玉商品として輸出されている。
それぞれの分野で両国における技術水準の向上に良い刺激剤になってるそうだ。
特に喜ぶべきは料理文化の交流も盛んになっているのだそうな。
手の込んだソースや調理法に重きを置く王国料理文化とシンプルな調理法で素材の味を引き出す事に重きを置く帝国料理文化、従来は相反する思想故に中々混じり合う事が無かったのだが「美味しいは正義」を掲げるプレイヤー達が先陣を切り異口同音に「どっちも美味い、どっちも正義」と声高に評して双方の料理人達の興味を刺激して周辺地域では良いとこ取りを目指した新しい料理文化が育まれつつあるのだ。
新しい風が吹く王国西部、発展は人を呼び様々な余波を産むのだが誘われるように他地方のプレイヤーもチラホラ流れて来るようになった。
人が集まれば必ずしも良い事ばかり起きる訳もなく、当然ながらよろしく無い問題も発生する。
閾値を超えなければ口出しも手出しもしないのだが、どうやら放置しておけば大きく景気に水を差す様な案件が浮上してきたのだ。
「大規模ソーラー発電計画(草案)?なんじゃこりゃ?」
ザッキーから飛んできた
「南部では基礎工事と大まかな建屋の建造は進んでるそうなんですがそこから先が難航してるそうなんですよ」
「まだやってたのかwwwアレだろ?外観を和風にするか洋風にするかだろ?www」
「それが大陸風とか近代風とか果てはサイバーパンクやスチームパンクとかの案も出てきて収拾がつかなくなってるんだとか(苦笑)」
「時間をおいたのが仇となったパティーンかw」
「それで一部のマジクラ勢が南部に見切りをつけて最近流れてきたらしいんですよ、発展目覚ましい西部なら大規模工事の需要もあるんじゃないか?ってねぇ(苦笑)」
「マジクラ勢はオアズケ喰らって大人しくしてる人種じゃないからなwww」
「そうですね、多分南部の地下は㌧でもない事になってると思いますよ?山肌残しなんか目じゃないくらいにね」
あ、ちょっと根に持ってるっぽいw
「そんでコレなん?確かにパッと見は良いこと尽くめな内容だけどw……ん?コレって領主に掛け合ってるの?」
「そうなんですよ、どっから入り込んだんだかニシノマチ有識者交流会議の議題に捩じ込んできたんですよね……」
「確かに数値的にはメリットしか見えないし発展した西部では膨れ上がりつつある予算の使用用途としては公共事業ってのは悪くない選択ではある、か……けどコイツはアウトだろwww」
「そうなんですよねぇ、太陽光発電等の自然エネルギー利用や永久機関なんかはメンテナンスが大変なんですよ。この計画書だと維持費やランニングコストの計算が楽観的過ぎますね、マジクラのゲーム内なら一度設置してしまえばメンテナンスフリーでしたけどリアルだと問題が多過ぎるんですよね(苦笑)」
「まー、必要に応じて工事したいんじゃなくて工事がしたくて計画でっち上げてんだから穴だらけになんのはしゃーないってか?w」
「それなwww」
「このテの低出力ジェネレーターってのは対応するバッテリー共々メンテの必要性があっていつでも他の冗長系でカバーできる重要度の低い部分での使用に向いているんです。例えば劣化を遅らせる為に常時通電して低出力運転継続した方が最終的に長持ちする主機なんかには丁度いいんですよね、要は適材適所なんですよ。海岸の村で三瓶どんもそういった運用してますし補助ジェネレーターとしては優秀ですからね」
「メインジェネレーターに据えるとか宇宙空間での無人機でも無い限りパネルが何枚あっても足りないからなw」
「それでも他の高出力ジェネレーターは欲しくなりますけどね、低出力ジェネレーターのみだと用途がかなり限定されてしまいます(苦笑)」
「そしたら今回はどうする?別の工事計画でもあてがうか?www」
「そうですね……地形データから分析したマズイ地域がありますんでウエスト領周辺の治水工事計画書でも売りつけましょうかね、パペットブームで王国にもボッタクー商会が進出してきてますんでソコ経由で良いでしょう」
「あの時の関係者一同が忘れられないフォントで書かれた計画書なんですねw」
「それは重畳wwwあー、どうせ派手なのか難しい工事したがるだろうからダム建設案とかも盛り込んでみれば?最悪マジクラ勢が手を引いた場合でも可能な代替案も添えておきゃあどうとでもなるだろ」
「そうですね、調子乗って周辺や下流にマズイ影響が出ないように大まかなシミュレーションも添えておきましょう。山一つ削ったりして深刻な環境問題とか発生させて欲しくないですからね(苦笑)」
さすが山肌残しは発想が違うw
「高出力ジェネレーターと言えば新型魔導スラスタの開発に成功しましてね、中々の高機動な飛空船の製造に着手してます。試験飛行を兼ねて自由都市へのフライトに使いましょう」
新天地への準備は着々と進んでるってワケだ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます