第36話 女神降臨
すっかり鍋を堪能して、炙ったイカをアテに温燗を楽しんでると研究所エリアから人がやってくる気配がする。
「あれ?ドワーフ達でも来てるの?居るなら鍋パに誘ったのに」炙ったゲソって何でこんなに美味なのかと味わいながら問いかける。
「人数多ければ具材の量も増えて、より美味くなるからなwww」流石パイセン、分かってらっしゃる。
「パイセンも大概鍋スキーですねぇ(苦笑)そんなお二人にM.O.Mからプレゼントだそうですよ。お入りなさい」意味ありげな含み笑いで来訪者の入室を促す。
それは、一組の男女だった。
「…地味子さん?」よく見知った女性に視線を奪われる俺ちゃん。
「え?トム中佐!?」パイセンもパイセンで驚きを隠せない。
グレース=ミナコ。通称“地味子”。
「ときめきバトルロワイヤル gotta 2」のプレイアブルキャラである。
キャラクター名の表示が「
セミロングの髪をアップに纏めた、ややもすれば冷たい印象すら与える涼やかな美貌は太めのフレームのメガネで柔らかな印象に変えられてる、奇抜な衣装が多い格ゲーキャラの中では落ち着いたデザインのパンツスーツ姿である。
小ぶりのバストとスリムなウエスト、そしてやや安産型のヒップにより構成される流体力学に優れたボディラインは俺ちゃんのストライクど真ん中だ。
開発者の言葉も一部添えておこう。
「おっぱいはデカけりゃいいってモンじゃないんですよ、揺らしとけばユーザーが付いてくる?そんなん他のメーカーさんにお任せしますよ。必要以上にデカけりゃ闘ってる時にクーパー靭帯に負担が掛からないか気が気じゃないですよ!もちろんちょっと垂れてた方がリアリティのあるエロスだって御意見も分かりますよ?けどちょっと想像してみて下さいよ、学生時代は水泳部で頑張ってた娘が大人になって綺麗になった姿を。肩を抱き寄せた時の確かな手応え、撫で肩チミっ子ロリスキーな紳士向けの小娘にはない抱き応えは確かな肉感を訴えてきます。小ぶりなオムネは大胸筋により安定して
おわかり頂けただろうか、あくまでもコレで「一部抜粋」なのである。
とにかく作り込まれたキャラで、例えばラウンド開始前にメガネを外す演出なんかは流石“ワカッテイル”の一言である。
Q:綺麗なお姉さんは好きですか?
A:大好物です!
語り尽くせぬ魅力は千の言葉でも足りないだろうが、端的にキャラコンセプトを表すとしたら、この二行と言えるだろう。
この開発者さんとはいい酒が飲めると信じている。
「ハロー、マスター。C.O.Mです。この義体は私の遠隔操作によって動かしてます。オフライン時には独立したA.I.制御になりますがオンライン時に随時情報共有されます。これからは戦闘をはじめ各種物理的なサポートも致しますので宜しくお願いします」
うわー、好みのルックスに好みの声だわー、これなんてプレイ?それとも美人局?
「最初のミッションとしてお酌させて頂きますね」
イタズラっぽい笑顔で侍ってくる地味子さん。
「お会計はいくら払えばいーんだ?アフターはあるのか!?」
「太客プレイですか?では私も一杯頂きますね」
余裕っぽい笑顔でどこからかお猪口を一つ取り出したので温燗を注いでみる…飲めるんかーw
軽く紅潮させて色っぽい吐息で日本酒を堪能してらっしゃる、すげぇ作り込みだわ。
「ここに居たホムンクルスをベースにサエキさんのデータから地味子さんを、パイセンのデータからトム中佐をM.O.Mが義体を作成しました。ちなみにトム中佐のボディはサエキさんのデータにあったライトニング=サンダーボルト中佐から引っ張ってきてます」
うわー、ライトニング中佐かー、こりゃ強いわw
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