第31話 繋がる遺志
パイセンが応急処置を済ませたところで、
俺ちゃん、この調査が終わったら女性を拘束する術を修得するんだ、と
赤かった目が青くなってる、虫かな?
憑き物が落ちた様なショートが語るには、ここは古の賢者アメイ=ュージュ=トテチテの別荘兼研究所だったらしい。
地下のダンジョンは
ありがちな動機だが、失った愛しき人の形代を作り上げようとしたが夢届かず息を引き取ったそーな…救いがあったのは
「もがくだけもがいたが生命の理に反逆しきれなんだ…むしろ一線を越えられなかったが故に胸を張って会いに逝けるのかもな…願わくばお前たちは人類の発展の礎に…そうしてくれる者に仕えてくれ…」
老人の今際の言葉だそーな。
そう、ショートもジャーヘッドも
どーりで造り物くさい外見してると思ったよ。
曰く、活動限界が近づくにつれモンスター由来のダンジョンドロップ品を加工した制御系パーツが無意識下で侵食してきてたとの事、そんなところに人間を目の前にしたもんだから暴走したんだとか…
穏やかな
「俺はそこに転がってる汎用
あ〜ぁ、見事にバグってらっしゃる…視線で促すと、軽く息を吐いたパイセンのターンだ。
「いいか?
「な、何を〜!!」真っ赤なお顔のジャーヘッド君。
「確かに真剣勝負でしか得られないモノはある、が戦う端から相手を殺して勝ち逃げを重ねてるだけなのは…それは貴様の怠慢だ。俺の相棒に言わせりゃそいつは“知らん殺しワカラン殺しでブイブイ言わせて興に乗ってる
目を白黒させながらも、今何かを言えば全てが遠吠えにしかならない事を悟ったのか只管唇を噛み締めてる。
あ、何かの配線切れたのか煙出しながら意識失ったっぽい…
ショート曰く間もなく活動限界を迎えるからジャーヘッドもそっとしておいて欲しいとか。
「願わくば、我らの身体を人類の発展の礎に…と言うのは我儘が過ぎるのだろうな」静かに呟くショート。
「運が良かったな、うってつけの
パチクリと瞬くと力の抜けた溜め息をして微かに微笑みながら
「御主人様もこの様な
静かに息を引き取るショート、気づけばジャーヘッドも険のとれた顔で逝っていた…コイツは気まずくなってダンマリ決め込んでたにちがいない。
〈あー、あー、どうせ見てるんだろ?〉
〈サエキさん、そこは「ザザッ」で入るのが様式美だぞ?www〉
〈ザザッ、こちらアイザック。話は聞きました〉
〈ちょw〉
〈www〉
〈そちらの施設の概要はインセクトを通して粗方把握しました、第二拠点としてうってつけですね。問題は輸送網の構築ですねぇ…陸路で整備してしまうと折角の秘匿性が勿体ないですよねぇ、地下で繋ぐには距離がありますし…要検討ですね〉
新しい玩具を見つけたかの様に、やたらとテンションが上がってるザッキーであった。
――――――――
「これは…色々ツッコミ処が多過ぎるなぁw」
「確かにwww」
「これでも色々制限があるので開発ペースは遅いんてすけどねぇ」
遺跡の監視はインセクトに任せてドワ郷に帰還したら鉱山の中の秘密基地が拡がってたでござる。
なんか大型重機とか搬送できそうなオープンタイプのエレベーターに乗ると結構な距離を登り出す。
ザッキー曰く八合目くらいまで続いてるそーな。
地下は地下で生産ラインが複数並んでてゴーレムベースのロボっぽい自律機械が動き回って自分と同型機を含めて色々製造してる。
製造と製造補助、戦闘とか今のところ12タイプの自律機を製造・運用してるんだとか。
八合目に着くと
「試作機ですが遺跡まで試験運転して問題点を洗い出したら量産と並行して大型機の開発も進めます」との事。
ちなみに八合目はカモフラージュされた発着所が併設されてましたよ、SFすげーなーw
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