第24話 ディナーパーティー
「そしたらよ!こいつらが!」
「画面端?」
「やかましいわ!」
一連の“誘拐したら砦が陥落してたでござる事件”が落ち着いて
「そもそもいつも死にそーになるじゃんwなんで咄嗟の機転が何時でも命をベットした選択なのよw」
「ダンジョンにしろ敵地に乗り込むにしろタンクトップって時点で舐めプなの?www」
「うるせーな!そん時はいい案だって思っちまっただけだわ!それに切られたり破れたり爆炎で炙られたりで上着はいつも駄目になっちまうんだよ!そこそこ高いの買ってもすぐオジャンだ!」
「砦ん時だって二人くらいならギリ浮かばせられたのにw」
「俺が仕掛けた爆薬も音は派手だけど破壊力は抑えたパーティー向けのクラッカーみたいなモンだったんだぜ?www」
「…確かにあん時ゃブチ切れちまってたから少々豪勢に爆薬積み上げちまった感はあるわ…」
私の為にブチ切れてくれたのね的な若干ウットリ顔のホリーさんには触れないでおこう。
窓から飛び出す時とかブルースに抱きしめられながら同じ表情してらしたよねー、リア充爆ぜろ…あ、派手に爆ぜてたわw
「しかし思いの外コンバート勢への偏見が浸透してた様だ…」
「これからは侯爵をはじめとした貴族の方々も巻き込んで風評被害を無くす方向で舵取りしないといけませんね…現に南方ではコンバート勢の活躍が目覚ましいとか、我々も既存職ばかり重用しないで育成と適材適所を念頭に置くべきですね」
トップギルドの幹部のアルバート・ジョンソン氏とブラッドレイ・ジョンソン氏が何やら今更な話を話し込んでらっしゃる、ちなみに血縁関係は無いそーな。
これからは報道に力を入れて新聞の発行とかしてる文化系ギルドと協力して偏見のない社会を目指すとか何とか。
「なぁ?草の」
「なんだい藁のwww」
「ABジョンソンが言ってるのって酒場に置いてあった新聞よな?“特集!狩り場で目撃された怪奇馬男!”とか一面にしてたアレよな?」
「“特派員による決死の取材により存在の確認は出来たが、その生態は未だ謎に包まれている…今度現れるのは貴方の処かも知れない”ってヤツなwww」
非常に不安が残るが明日は明日の風が吹くのである。
「まさかこの日の事が後の大事件の切っ掛けになるとは誰も予想だにしなかったのである」
「フラグ立てるの必死杉www」
明日を憂う俺ちゃん達をヨソに、ドワーフ同郷団とブルース・ブラザーズの面々も今回の事件を通じて交友を深める事になったとか。
一つ位明るい話題が無いとなー。
「しかしこの店の料理も中々イケるな…」
「このバンバンジーみたいなのも食感が面白いなwww」
「そりゃ取引先との会食によく使う店だからな、その鶏肉は包丁使わないで手で裂くのが食感の秘訣なんだってよ」軽くドヤるブルース。
「つまり、取引先と鳥引き裂きを食べるってのか…」
「ヤルな、ブルースwww」いい笑顔でサムズアップ決めるパイセン。
「ちょ、いや待て!そんなつもりじゃ!」
「ここメモするとこだからなー」ブルース・ブラザーズの若手連中に声掛けする親切な俺ちゃん。
ブルースは「変な事をウチの連中に仕込むんじゃねーよ」とか騒いでたけど多分照れ隠しか何かなんだろー。
「この豚汁みたいなのも美味いな…こーゆーホッコリ系もあるとか絶妙なチョイスよなw」
「トン汁ブタ汁論争は避けようなwww」
「ポークソテーもオススメだぞ」ブルースがカッコつけてサーブしてくる。
「なるほど、流石ブルースだ」
「ブタとブタが、かブッタwww」
「だから違うっての!そういうのナンなんだよ!」
騒がしい奴だ、ナンだかんだ言わずにカレーにスルーしろよ、飯食う時にいちいち騒いでたらホリーさんに振られるぞ?
「ああ、そうだ。ブルース」
「どうした?かしこまって」
「コレをやるよ、備えあれば憂い無し。だ」
「…なんでまたメガネ…こりゃ伊達メガネか?」
「そのフレームのデザインならホリーさんに似合うだろうからな、色もブロンドに映えるだろう」
「だから何でメガネなんだ?」目を白黒させるブルース。
「いいか?ウチの田舎にゃこんな言葉がある…“学生時代に着ていた制服は処分しちゃダメ、何があるか分からないんだから”ってな」
「よく分からんが…ま、ありがたく貰っておくよ」
ブルースに幸多からんことを…フッ、また一つ異世界平和に貢献してしまったな、次回からタイトルも「異世界メガネ純情派」に変えないといけないかも、な。
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