第15話 王道ですか?
ドワーフ自治区の近郊にあるダンジョンは複数あり、鉱石系のアイテムが安定的に採掘されている。
ダンジョンからの安定した供給により鉱山自体はほぼ手つかずなのはファンタジー故の皮肉な話である。
そんなダンジョンの内の一つ、通称ゴーレムダンジョンは、名は体を表す通りゴーレム系のモンスターでラインナップが固められたダンジョンである。
ゴーレムは「硬い・魔法も通りづらい・経験値やドロップもそんなにオイシくない」の三拍子で、不人気な狩り場として寂れている。
ゴーレムの攻撃は、その硬い装甲と巨体任せの大振りなものである。
が、隙は大きくともリーチもあるので懐に潜り込むにはそれなりの俊敏性も求められる。
また潜り込んだとしても防御力を抜けるだけの攻撃が必要となるのだが…
「サエキバーストぉ!!」
大振りな攻撃で崩れた体勢の死角にテレポートで回り込み、添えた掌から衝撃波が放たれる。
サエキバーストは射程距離が短く放つ時に、一呼吸のタメがあるがガード不能技なのである。
格ゲー時代は“当てる技”とゆーより“見せる技”であり、出かかりキャンセルテレポで釣られた相手を狩る。といった使い方が有効だった。
もちろんガン防御してるのには偶に本当に当てて“お仕置き”するまでがワンセットである。
そんなワケで隙の大きいゴーレムはカモなのである。
衝撃波が腰の関節を貫いて全体の動きが鈍ったところに頭部付近にテレポからのバーストでフィニッシュ!なのである。
一方パイセンはゴーレムの巨体とか関係なく余裕もって捌いて投げ捨ててらっしゃる…
「パイセンは投げれないものあるん?」
「…プライドとか?wwwいや、時々投げ捨ててるかもwww」
「銃剣術の応用で使えそうだからって買った短槍も結局お蔵入りですものねぇ…サエキさんがいれば旅路の
酷い言われようである。
そもそもゲーム時代は盗賊とかは討伐クエストを受注してなかったら湧いて来なかったもんなぁ…それでもリアルになって何が変わってるか分からないんだから“備えあれば憂いなし”である。
「絶対“
「“絶対キレイになってやる”みたいに言うなしwww」
「はいはい、アイテム回収終わりましたから次行きますよ?次。」
俺ちゃんパイセンのツートップにザッキーのフォローとゆー黄金の三角形がコンビネーションでハイヴォルテージなのである。
しっかしツートップの両方とも素手ってのがまずおかしいよな…
パイセン曰く「ゴーレムとかテレフォンパンチだからさばく時に攻撃方向にこっちの力も添えて勢い足してやると関節部分に負荷がかかるのよ、んで可動域超えたら重心がズレるからポイってすんのよ。ね?簡単でしょ?www」だとか。
うん、変態の言ってる事はよくわからないやw
「ゴーレムドロップってどんくらい必要なんだっけか?もっと大量に必要?」
「空いてるから入れ喰い状態で捗るなwww」
「拠点作ってからの段階になれば、ゴーレムドロップとかいくらあってもいいですからね。現状でも金策と研究試料を兼ねて多い分には何の問題もありませんね」
「拠点って目ぼしい目星はついてるん?」
「サエキさんって大体発言にバグがあるよねwww」
「フェニックス・エンジン搭載されてるんでしょう。自治区の外れにある工房の隣が有望ですかねぇ、工房の主さんの性格次第ですけど…そろそろ何か作らないと剥ぎ取りばかりでアイデンティティが危険でピンチですね」
「フェニックス・エンジンはオワコンw」
「まだだっ!まだまだフェニックス・エンジンは終わらんよ!www」
「そしてバージョンアップして復活、市場を席巻するまでがワンセット。まさに不死鳥の如く、ですねぇ」
緊張感の無い狩りは続く。
「テロン!新技キタコレ!」
「お?半角英数じゃない方のキタコレとか珍しいなwww」
「取り敢えず言われた時は伝わってはいますが…アレってどーゆー発音してるんですか?
「(18)
半ば作業と化してたゴーレム狩りは基本的にテレポ→バーストの連携の繰り返しである。
自分でも少しずつ洗練されていくのが感じられてたが、つい今ほどブレイクスルーした。
「いくぜっ!」
おもむろにサエキバーストの動作に入り、一呼吸のタメで圧縮された力が指向性をもった爆発となって解放される瞬間
「テレポート!」
そう、テレポートアウトした瞬間にバーストが放たれるのである。
ドヤっ!キメ顔を二人に向かっていい角度でフェイスフラッシュやで〜。
「バグだなwww」
「流石フェニックス・エンジン搭載してるだけありますねぇ」
「絶対“
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます