第14話 そこに愛はありますか?
様々な苦難を乗り越えた俺達は、ゲーム時代に西部戦線と呼ばれた最前線ダンジョン攻略を支えるニシノマチ、
鉱石や宝石系のドロップが見込める、耐久力の高いモンスター達が待ち受ける高難易度ダンジョン、
立ち塞がる特異なモンスターを排除する力量、大小様々なトラップに対する対応力、そしてライバルを蹴散らすだけの物理的・魔力的説得力…あるいはそれらの実行力が求められる。
そんなパーティーの総合力を問われる、
────華麗にスルーした────
いやはや(照)…個人的にはダンジョンアタックを通してさ?レベルアップとかさ?友情とか?そんな絆的なサムシングとか?そんなんで盛り上がりたい!ってゆー気持ちもあるんスよ?
でもさー、目的地はもっと西なのよ。
知ってるよ?物語的にもダンジョンとか盛り上がるじゃん?撮れ高とか爆上がり見込めるじゃない?
だけどご理解戴きたい。
だって俺達は経験値でレベルアップするシステムじゃないんですよ!
そりゃあ実戦を通じて得られるリアル経験値はありますよ?何なら謎のスコアも入りますよ?
けどね、けれどね…
“ぶっつけ本番は甘え”←人生によく出てくるから覚えておけよ〜。
謎のスコアも其の辺のザコ殴っても入ってくるしなー。
そんな訳で俺ちゃん達ご一行は予定通り、更に西のドワーフ集落まで歩を進めるのであった(ばばーん)。
「ドワーフってさー、古典的ファンタジーを解読してくとウサギ獣人だって説があんのよ」
「どゆこと?www」
「確かにエルフの長耳は伝説的イラストレーター様の功罪の一つであってドワーフも長耳だったって話は聞いた事ありますねぇ、けど耳が長いだけでは少し弱いですかね」
「えーと…じゃあファンタジー的な感じで永遠の国“ネバーエンズランド”って所があったとしよう。そこには穴掘りが得意で少し小型のウサギ系の獣人、ケモナーの人が好きそうなケモノ寄りの獣人が住んでます。ケモノ寄りなので当然毛深いです、表現の仕方に語弊があるかもだけどなwんでもって女性もヒゲが生えてるんだけど、ウサギっぽいヒゲとかキュートだと思わね?」
「なんだか小動物的な可愛い生き物みたいなイメージが湧いてくるwww」
「趣深いですねぇ…続けて下さいプリーズ」
「んでもってヒト寄りのバニーガールみたいな人間大のウサギ獣人も同時に存在するとしよう。それに対して“ネバーエンズランドの
「うはwwwそんなん聞いたらムサ苦しいおっさんドワーフの存在がテンプレってゆー価値観が揺らいでくwww」
「趣深い考察ですなぁ…拡大解釈すれば月も
「まー、リアルバニーガールが存在してくれるだけで俺的には充分ファンタジーだけどなーw」
「台無しだなwww」
「真面目に考えた時間を返して下さい」
――――――――
ニシノマチの更に西の地、連なる鉱山の麓から中腹に広がる土地が“ドワーフ自治区”と呼ばれる小国扱いされている地域である。
残念ながら住人達はトランジスターキュートなウサギ獣人ではなく樽の様なフォルムのずんぐりむっくりドワーフだったワケだが。
いや?待てよ…これはテンプレだろ?そろそろ来てるんじゃない?俺ちゃんのテンプレ異世界転生
つまらない理由で絡まれて撃退しておにゃのこ助けてニコポでパーティー組んでパーティーナイトで、倒した敵が魔法で操られてた美女でナデポな感じでハーレムの準備整いました?みたいな?出来ればメガネ女子だといーなー。
んでもっておにゃのこと美女が鉢合わせて「あれ?俺、やっちゃいました?」ってアレ?このセリフって浮気がバレた時のセリフだっけ?
ヤヴァい!俺ちゃんのテンプレ異世界転生がピンチで危ない。
「助けて下さい!」
「突然ドワーフ自治区の中心で
「
俺ちゃんの嫁がシュレディンガーの猫なのになんて緊張感の無い連中なんだ、コレだからアレなヤツはソレなんだよ!
――――――――
「第n回俺達の俺達による俺達の為の会議ですよ」
「とうとう開催回数まで手を抜いてきたwww」
「議題、アルコール片手の会議は会議と呼べるのか。」
「ディナーミーティングとゆーヤツだよ、弊社は常にクリエイティブでドメスティックでセンシティブな企業であり続ける社風だからね、HAHAHA!」
「その横文字は意味分かって使ってるん?www」
「…ちなみにドメスティックって「トイレ掃除の」って意味じゃないですからね?」
「「mjd!?」」
会議は踊り、されど進まず。
只々酒が進んで夜が更けるだけであった。
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