第9話 ゲームの里始まる
ゲームソムリエの資格は取れた。良かった良かった。これで何とか説得力はつく。
今回の試験は自分の得意なゲームの選定の問題の比率が大きくなっていた。ゲームソムリエの資格の基本であるゲームを選ぶ事を重視し、資格の有用性を示したいのだろう。
何はともあれ、これでゲームの里構想の始まりだ!
うちはゲームソフトの店やることになった。
ゲームソムリエの資格を全面に出した。別にゲームソムリエの資格はコンシューマだけでなく、ボードゲーム、カードゲーム等色んなゲームをフォローするがとりあえずゲームソフトの店をやることにした。
母ちゃんの説得はすんなりいった。大丈夫かなとこちらが思うくらいだったが、俺の人生を考えてくれたらしい。
「あんたの人生はまだ続くけど私の人生はもう終わりが近いし。暮らしていくお金は年金で何とかなるでしょう」
年金はそう多くないのは分かっているから、母ちゃんには頭が下がる。絶対成功してみせる。
商店街の店も結構リニューアルした。
うちのゲームソフト屋を始めとしてカードゲームショップ、ボードゲーム、古本屋、ゲーセン、掲示板屋、元々あった喫茶店や書店、ガチャ等がある。
掲示板屋とは大きな掲示板を設置し、色んな依頼や伝言をする店のことだ。ポ〇モンの交換とかモ〇ハンのフレンド探しとかお金を伴わないゲームの取り引き等ができる。店内には簡単な喫茶スペースと軽食を売るコーナーが備えられ、割と賑わっている。
こういう光景を見るためのゲームの里だった。良かった。やって良かった。
虎太郎先輩の店は1番チャレンジしている。
自分の姿勢を見せなければいけないので思い切った勝負をせざるを得なかった。名は"和菓子屋ハニー"。はちみつのお菓子と和菓子屋を食べながらボードゲームができる店だ。TRPGもやれる。
儲けはとれるのかという所だが、和菓子とはちみつのお菓子と飲み物の値段はそれなりなのでそれから何とかするらしい。俺も一度行ってみたが楽しかった。これはいい。健一郎もご満悦だった。
健一郎は相変わらず書店をしている。棚はゲームものの比率が高い。
「俺が1番貢献したよな!さすが俺かな?」
とか言ってご満悦だった。
ゲームの里構想はうまくいった。
ゲーマーが集まる街、黒山商店街になった。
何とか大型ショッピングセンターに対抗できている。大型ショッピングセンターもゲーム関連の店は出すが、それでもゲームスペースとか試遊とかではそう思い切った、商売にならない部分は突っ込めなかったように見える。
儲けはそう多くなくても良いという商売の常識を覆したからこその西のアキバ構想だった。
今は単なるゲーマーが集まる街だが、そのうち西のアキバと呼べるようになるといいなあ。
ゴロウ繁盛記 芝村想吏 @koi2502
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