第7話 ヒントと解
健一郎が心配で様子を見に健一郎の店に行く。山野書店という名字そのままの店名だ。何も浮かばないので何か着想があればというのもあった。健一郎は店番をしていた。
「儲かってる?」
「おお、ぼちぼちな」
「何が売れてるんだ?」
「そうだな、漫画が多いな。子供の比率が高いし」
「そうか。この間はゲームブックが売れてるって」
「そう!ゲームブックが売れてるんだよ。お前も好きだろ?」
「そりゃあまあ、昔はな」
「いいぞ、ゲームブック。これ貸してやる」
「シグタルの丘を超えて、か」
「あとはTRPGも売れている」
「ほう、セッションするのかい?」
「そうそう!それもいいよな。商店街はお先真っ暗でもうちは儲けるぜ」
「まじかよ。ゲームでか?」
「まじだ、ははは」
「ふん…そうか…そうかも」
「どうしたん?」
「いや、ありがと。何か掴めた気がする」
「そう。良かったね」
ゲームだ。ゲーム。大体儲けようというのがおかしいんだ。
顧客を創造せよというのは顧客を育てて顧客に大切に思われるための言葉なんだ。
ゲームを広めて、ゲーマーを育てて、ゲーマーの集まる街。
それを黒山商店街にすればいいんだ。
儲けはそんなにいらない。最低限あればいい。黒山商店街を西のアキバにする。これならいけるかも….!
虎太郎先輩に相談した。西のアキバ構想。さすがに突飛だとは思うが、名案な気がする。
「西のアキバねぇ…アキバも電気街だったんだろ?もともとの優位があったんじゃないか?」
「こちらも優位ならある。この商店街は遊びのある商店街だ。健一郎もゲームブックやTRPGが売れてるっていうし」
「ふうん。確かにTRPGは濃いゲーマーならやるかもしれんが….でも山野書店だけだろ?他に、いやガチャもあるが…他には売れるゲームはないよな」
「うちをゲームショップにする。ゲームソムリエの資格をとる」
「ゲームソムリエぇ….確かちょっと前に新しい資格として始まった気はするが。お前もゲーマーだけど….うーん」
「どうだろう。いい案だと思うけど」
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