第5話 再び!商店街の危機

それは突然やってきた。


「大型ショッピングセンターだとお!」


朝、新聞を読むゴロウはひっくり返った。これは一大事だ。近くに大型ショッピングセンターとは。だからか、あの塩対応は。商店街を見捨てると。ひどいやり方だ。


「母ちゃん!大型ショッピングセンターだって!知ってた?」

「大型ショッピングセンター?知らないよ。えっ、近くにできるのかい?」

「隣町にはなる。確かに客を全体持っていかれる訳では無い、普段こちらを楽しみに通う人も多いし。でも、これは」

「あらー、困るね。どうするの?」

「考えてみる」



虎太郎先輩からスマホに電話がかかってきた。


「見たかよ、大型ショッピングセンターだとさ」

「見ましたよ。どうします?でも納得はいきましたよ、あの塩対応」

「だな。どうしようか。また会議だろうな」

「これまた危機的ですね。どうにかできるのかな」

「また皆で考えてみよう。何か知恵が出るかもしれないし」

「そうですね。じゃあ次の会議までに何か考えます。それと情報収集もしておきましょう」

「そうだな。やってみよう」



「おっ、健一郎」

「よう、ゴロウ」


店の開店準備が終わった頃、健一郎が店にやってきた。そして俺は率直な感想を言う。


「やばいね」

「やばいな」

「どうしようか」

「お前が何とかするしかないんじゃないの」

「おいおい、俺もそんな大型ショッピングセンター並みのスケールな訳ないじゃん」

「だけどー!お前しかいないって」

「そうかあ?お前も知恵を持ってきたとか言ってたじゃん」

「そうだけど!大したことないんだよ。お前何とかしろ!」

「そりゃあ善処はするけど、相手がデカくてな」

「そうかもしれないけど!もっと頑張れよ!」

「そりゃあ頑張るよ。もう頑張るから店に戻れ」

「もう!期待してるからな」

「はいはい」


言うだけ言って健一郎は帰っていった。まあ頑張るつもりなんだが。まずは情報収集かな。

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