旅する
才波津奈
第1話
ちゃぽん。
天井から落ちてきたしずくが湯船の中の湯を打ち、広い浴室にその音が響く。
静かだ。
平日の昼下がりの銭湯。
私以外には、年配の女性が二人だけ。
一人は洗い場にいて、一人は静かに湯船に浸かっている。
はじめて訪れた小さな街。
その街中にある商店街の外れの銭湯。
私は今その銭湯で、湯船に浸かっている。
ロッカー、体重計、牛乳やサイダーが並ぶ冷蔵庫。色の褪せた広告看板。
浴室の壁には、かすれた富士山の壁画。
旅する 才波津奈 @saibatuna
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。旅するの最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます