第4話 『引き算』は難しい

 自分の長編を一旦の終わりまで書くことができ、一安心している私です。久しぶりに、この創作論の続きを書いてみようかと思います。今回の話はより多くの人に小説を読んでもらうためにはどうすれば良いか考えてみようという内容になります。興味のない人には退屈な話かもしれませんし、必要のない話かもしれません。


 さて、前回私は『引き算』の話をすると言っていましたね。それと、お話の余計な要素についてもかな?


 そういうわけで早速、物語の要素と引き算について考えてみましょう。


 前回も話しましたが、物語とは話の積み重ねであり、話は要素の積み重ねであります。


 ここで一度、人がどのような要素を好むのかについて考えてみましょう。その答えは人によって変わって来るかと思います。コメディが好きな人が居ればホラーが好きな人も居て、万人から好かれる絶対的に人気な要素というものは存在しないかと思います。


 次に人が苦手とする要素について考えてみましょう。これもまた、好きな要素について考えるのと答えは同じになるかと思います。人の数だけ好みがあって、苦手もあります。さきほど私が例に挙げたコメディやホラーが嫌いな人も、もちろん存在するでしょう。


 では、話を戻しましょう。物語とは話の積み重ねであって、話は要素の積み重ねです。


 万人に好かれる要素というものは存在しないと話しました。つまり何が言いたいかと言いますと、万人に好かれる話は存在せず、万人に好かれる物語も存在しないという話なのです。世界的な傑作も世界の誰かは苦手なはずですし、逆にどんな作品も世界の誰かには好まれ、誰かのニーズが存在するものだと考えられます。


 物語を作るためには当然、話を足していかなければなりませんし、要素を足していかなければなりません。そのようにして物語の設計図が作者によって作られるかと思います。それは、頭の中にあるものかもしれませんし、プロットとして形になっているものであるかもしれません。


 物語を作る途中で足し算という過程は必ず存在します。足し算をしてできあがったものをそのまま小説という形にしても良いですが、できれば一度考えてほしいのです。考えて、引き算をしてほしいのです。


 物語を書く際、多くの作者はできるだけ多くの人に読んでもらいたいと考えるかと思います。その場合、小説を構成する要素として、より多くの人に好まれる要素が選択されるはずです。よくテンプレと呼ばれるものがそのような選択肢に入るでしょう。コメディにはコメディの、ホラーにはホラーのテンプレが存在します。


 またテンプレ以外にも『これは読者に好まれそうだ』という要素があれば物語に取り入れられるかもしれません。それらの、多くの読者に好まれるであろう要素も、同時に誰かが苦手とする要素でもあるのです。


 物語に要素を詰め込むほど、誰かから好まれる部分も、誰かから苦手とされる部分も増えていきます。後先を考えずに人から好まれるであろう要素を詰め込み過ぎると、大変なことになってしまいます。はっきりと言えば、人から好かれる要素を足しすぎてニッチになってしまうのです。


 物語や話を構成するもののひとつとしてキャラクターを例に挙げてみましょう。とあるキャラクター。そうですね……ヒロインを多くの人から好まれるように思いついた要素をかたっぱしから取り込んで作ってみるとします。


 金髪ロングふわふわヘアーそばかす碧眼メガネ童顔糸目長身巨乳ぽっちゃり形おっとりのんびりや姫騎士最強お姉さんキャラ。


 上にあげた例だと刺さる人には刺さるかもしれませんが、属性の盛り過ぎで苦手な人も結構居るものかと思います。人から好かれそうな要素を足しすぎてニッチになってしまうとは、こういうことかと思います。


 で、引き算の話をします。物語やキャラクターを構成する要素を足しすぎるとニッチになりすぎてしまいます。そこで、組み立てられた要素を見直して組み立て直す作業。これが引き算です。


 どの要素も誰かに好かれるものであると同時に、誰かから苦手とされる要素ですから、バランスを考えながら要素の足し引きをしていく必要があります。でなければ全体の魅力に乏しかったり、ニッチ過ぎるものができあがるでしょう。


 物語のバランスを引き算によって上手く調整していく。これはとても感覚的なもので、とても難しいことかと思います。上手くやるためには、多くのインプットをして、多くのアウトプットをする必要があるでしょう。私はまだまだ、これが上手くなりません。


 今回の話はこんなところでしょうか。また、色々と小説を書いてみて、こちらの創作論で書きたいことが出来れば書いてみようと考えています。


 次回更新はまたしばらく後のことになると思います。創作はインプットとアウトプットの繰り返しですから、これからも頑張るつもりです。そうして創作論として発表できる何かが見つかると良いのですが。


 それではまた、いつかの機会に。

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