第2話 『どのようなキャラクター』が好まれるのか

 今回は『キャラクター』について考えてみようかと思います。


 何度もしつこいように書きますが、このエッセイで語るのは私個人の考えです。なので、それは間違っているかもしれません。そのことを理解したうえでお付き合いいただけたら嬉しいです。


 さて、どのような『キャラクター』を書くべきか。それは決まっています。読者に好まれるような『キャラクター』を書くべきです。しかし、これもまた言うは易しですが実際に形にするのが難しい。私にはとても難しく、まだまだ勉強不足を感じる課題です。


 物語の登場人物には役割があります。主人公だとか、ヒロインだとか、ラスボスだとか、ライバルだとか、しかしそこで終わってはいけない。『キャラクター』は役割を演じる者でありながら、それだけではいけないと私は思うのです。


 人間味とでも言えばよいのでしょうか。それを『キャラクター』に吹き込むのは簡単なことではありません。思うに、一朝一夕で身に着くものではない。私も、それはとても難しいと感じています。


 そんな私が言うのはおこがましい話かもしれませんが、物語の登場人物は作者の決めた言葉を話し、作者の決めた行動をとればいい、というようなものではありません。必要なものは『雰囲気』ではないかと思います。『キャラクター』が作者の決めた言動だけでなく、実際にその世界に生きているかのような『雰囲気』をまとわせることが大事なのだと思います。


 これは今の私には説明が難しく、しっかりとしたハウツーにはできないものだと思っています。ですが私は小説をかくうえで『雰囲気』というものが大事だと考えてます。それは『キャラクター』だけでなく『ストーリー』にも深く関わってくるものです。ですから、今の私なりに、なんとか頑張って語ってみようと思うのです。


 そのようなことも考えつつ、どのような『キャラクター』を書くべきか、もう一度考えてみましょう。必要なのは読者に好まれるということ。そのためには読者の好みに近いものを設定するのがベターかと思います。


 登場人物がどのような見た目をしていて、どのような性格をしているか、何が好きで、何が嫌いなのか、その一つ一つが『キャラクター』を構成していきます。でも、それだけでは足りないのだと思います。『キャラクター』を構成する一つ一つの設定、それらを繋ぎ合わせ、自然な形にするもの。それが『キャラクター』の持つ『雰囲気』なのではないでしょうか。


 私が思うに『雰囲気』とは設定の組み合わせによって構成されるたくさんの重要な要素『キャラクター』や『ストーリー』に自然な形、その世界の中での存在感をまとわせて、同時にそれらが作者によって進行されている、という気配を消すものである。と、考えています。


 ここまで語って『雰囲気』の重要性は分かってもらえたでしょうか。


 読者に好まれる『キャラクター』を作るには、読者に好まれる設定を組み合わせ、その設定に適切な『雰囲気』をまとわせる。これができれば、きっとその『キャラクター』は想定する読者にとって好ましい人物になるはずです。ただ、それはとても難しい。それが簡単にできるなら、私はもっと結果を残しているでしょうね。


 良い『キャラクター』を作るためには、とにかくインプットして、アウトプットして、経験値を溜めるしかないでしょう。小説を構成するあらゆる要素が、よく見て、よく書く、その積み重ねがなければうまく作れないのではないでしょうか。まあ、そうでない天才も世の中には居るのでしょうが。


 もしあなたが良い『キャラクター』を作ることができたのなら、きっとその時、あなたにはそれだけの経験値が溜まっています。良い『キャラクター』は良い作者によって作られるのではないか。そう、私は思います。


 もう一度どのような『キャラクター』を書くべきか考えます。しつこいようですが許してください。必要なのは読者に好まれる良い『キャラクター』です。ここでいう、良い、と言う言葉は、読者に好まれる、という意味で話しています。


 読者に好まれる良い『キャラクター』は正義感であるだとか、戦闘能力が高いだとか、頭が良いだとか、そういう話をしているかと言われると、ちょっと違います。そのような設定は大事な要素であり、重要な要素です。しかし、それは私の言う良い『キャラクター』とはちょっと違うのです。あくまで、最も大事なものは『雰囲気』だと考えています。


 私がしつこいように言う『雰囲気』とは『説得力』とも言い換えることができます。


 説得という言葉には、よく話し聞かせて相手を納得させる、という意味があります。何を言いたいかというと、読者が納得できるか、納得、というものが読者にとって大事なのです。読者は納得のできないものにはついてきません。『キャラクター』とは読者を物語という舞台で演じられる『ストーリー』を楽しんでもらうための人物。『ストーリー』に納得してもらうための役者なのだと思います。その責任は重大です。


 と、まあ私なりの『キャラクター』感を語ってみましたが、いかがでしたでしょうか。偉そうになってはいなかったでしょうか。あくまで、私は何の実績もないワナビーに過ぎません。私のエッセイには説得力がないでしょう。ですから、いつかはこのエッセイにも説得力を持たせられる作家になりたいものです。


 次回は『ストーリー』について考えてみようと思います。もしよろしければ、またこのエッセイに付き合っていただけると嬉しいです。

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