第116話C組の女の子がG組に来たら、D組の女の子が怒って、帰っちゃった。

G組の騒ぎを聞き付け、樹君が教室を出て行ってしまう。僕と大地君と渚ちゃんの三人で樹君の後を追う。行った先には樹君がおらず、G組の生徒に話を聞いて見ると、D組の女の子がG組の女の子に会いに来たら、C組の女の子が連れ戻しに来た。D組の女の子は怒っちゃって、本館に戻って行ってしまったと言う。樹君はG組の生徒達の話を聞いて、本館の方へと向かって走って行ったと言う。僕達はその話を聞いて、顔を見合わせて樹君を止めに行く事とした。三人は樹君の向かったであろう学校の本館に樹君を止めに向かった。


学校の本館に向かった新葉達三人。暫く、歩き続けると、そこには探していた樹君がいた。本館の中に入って直ぐの所だ。今は少し、懐かしく感じる本館の中だ。


「樹君。何故ここに来たんだ。こっちに来たら、駄目じゃ無いか? 怒られたらどうするの?」


新葉は樹君の顔を見て、安心した。幸い周りには人がいない様だ。直ぐに樹君を連れてここを出て行こうと考えた。


「新葉君達どうしてここに⁉︎」


樹君は人事の様な返答を返して来る。


「何言ってるんだ。君を迎えに来たに決まっているじゃ無いか? 人に見つからない内に別館の僕達の教室に帰ろう!」


新葉は樹君を説得する。


「何だ。心配して来てくれたんだ。有難う! 所で、有難い新葉君の為に他のクラスを案内してあげるよ!」


言って、樹君は新葉を連れ出した。


「え〜。ちょっと⁈⁇」


言葉を残して新葉は強引に引っ張られて樹君に連れて行かれた。強引過ぎる樹君にたじたじな新葉。本館の中へ向かう新葉と樹君。本館の中へ入ると、長い廊下が待ち受けていた。どんどんと歩く樹君。後ろを追う新葉。広い廊下。曲がり角があり、教室も分かり辛い。迷子になってしまいそうだ。初期の時に入っていた教室は余り、移動を許可されていなかった為、他の教室、他室の事は何も知らない。見る事も無かったのだ。樹君を追う中、一人の少女が泣きながら、走って行ったのを見た新葉はそこで足を止めた。

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