第112話心春ちゃんからの感謝。
クラスメート達皆んなで、仲良くして行こうと決めたH組。杉浦先生に関してはまだ、謎は残ったままだったが、先生は約束通り、毎日の様に学校で授業をしてくれている。休む事も無くなった。そうしてくれていれば、何も文句も疑いも全く、生徒達にはどうでも良い事だった。先生の話題も無くなり、クラスメート全員で仲良くしている。三人がどうして仲良くなって行ったのかは本当の所は分からないがクラスメート全員が仲良くする事は新葉にとっても願っていた事だった。将磨君も加わり、四人共に仲良しに戻った。僕達もジューフレンの復活でもある。いや、正式にはそうでは無い。ジューフレンは解体である。何故なら、クラスメート全員で友達になったのだから、もうジューフレンである必要は無いのだ。
樹君だが、あれ以来クラスメート達から、評価が上がった様だ。先生を気にして自転車で電車を追うなんて、頑張った。可愛い。などなど、色々と樹君の意外性に皆んなが見る目が変わった様だった。それを一番喜んでいるのが、心春ちゃんだった。心春ちゃんはわざわざ僕の所まで来て言ったのだ。
「有難うね。新葉君。新葉君のお陰で樹君が皆んなと仲良くしている」
心春ちゃんは嬉しそうに僕にお礼の言葉を伝えに来た。親友の結菜ちゃんと渚ちゃんと海咲ちゃんも一緒に着いて来た。
「ありがとう。わざわざ言いに来てくれて、だけど、僕は何もしていない。お礼を言われる様な事は何一つしていないんだ。樹君が朝陽君と友達になって、陽翔君が朝陽君と友達になった。結果、三人は仲良くなった。三人で仲良くなった。友達になったんだ。僕は何もしていない。そうだ、僕は何も出来なかったんだ。三人は自力で仲良くなったんだ。ごめん。僕は何も出来なくて!」
新葉は自分の心情を語った。そうだ。僕は何も出来なかった。三人が頑張っている事も知らなかった。先生が学校に来ていないのは知っていたけれど、心配する事もしなかった。三人が仲良くしようとしている時に僕は皆んなの所にいなかったんだ。お礼を言われる資格など無いんだ。
「そんな事無いよ。新葉君は樹君を一番初めに友達にしてくれたじゃ無い。私は感謝しているんだよ」
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