第99話女の子達の釣り合いの行方。

女の子達の中でも、この問題を解決すべく、意見を述べ合う会となった。


「先ずは問題を整理して見ましょう。新葉君が解決する筈だった問題を樹君も手助けしようと思って始めた事だったのよね。朝陽君を友達に加える為に樹君は何を間違えたか、釣り勝負を持ち掛けたのよね。そして、樹君が釣り勝負に勝った。樹君はこれで丸く治ると思ったら、朝陽君が言うには樹君が勝ったら、樹君と友達になるって言ったのよね。そして、約束通り、樹君と朝陽君は約束通りに友達になった。それで、今に至る。これで良いのよね?」


結愛ちゃんは今までの経緯を順番に述べて行く。女の子達は首を縦に振る。


「でもさー。間抜けな話よねー。樹君は何故皆んなと友達になるって約束しなかったのよー。だから、おかしい事になっちゃったんでしょう!」


陽奈ちゃんはおかしな所を指摘する。


「それは樹君は自分がネックになっていると思ったからでしょう。自分さえ友達になって仕舞えば後は陽翔君達と仲良くなると思ったんでしょう」


海咲ちゃんがそこは代弁する様に言った。


「もう、馬鹿な奴よね。そんな風に考えちゃうなんて、樹らしいって言えば、樹らしいんだけどね!」


紬ちゃんは樹君に対して歯痒さを感じていた。


「待って、待って。それっておかしくない。いつもの樹君なら、普通に怒っちゃうよね。騙したのかーとか言って、許さないんじゃ無いの。きっと、ブチ切れの筈よ。だって、勝ったんでしょう。約束にしたって、普通は樹君が二人を配下に置いたって不思議じゃ無いでしょう。なのに今は樹君が二人の配下に置かれてる程の静けさ振りだわ。何か弱みでも握られてるとか?」


凛ちゃんが推理的発想で疑問を問う。


「そうよね。言われて見れば、確かにおかしいわ?」


陽葵ちゃんは身を乗り出して、真相を探ろうとする。女の子達も皆んな考え込む。


「いっそ、私達も釣りして見る。そこに答えがあるかもよ!⁉︎」


紬ちゃんがひょんな事を言い出した。皆んなきょとんとしていた。

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