第97話どうした物か?
すっかり、樹君。朝陽君。将磨君の三人は仲良くしている。僕としてはお兄ちゃんの様なタイプの樹君と海斗君の様なタイプの朝陽君が仲良くしているのが少し、嬉しくもある。もう二度と見られないお兄ちゃんと海斗君の仲のいい友達としての風景。二人が仲良くしているとそれが蘇る様だ。また、この光景が間近で見れる様でとても嬉しい。僕としてもこの光景を望んでいた気がする。タイプが似ているのなら、きっと友達になれば、相性が良いのでは無いかとも思っていた。だからこそ、友達になって欲しいと望んでいたのも確かだ。だけど、このままでいいのか? 樹君は元々四人の仲を取り戻そうとして始めた事だし、僕達の為に仲間に入れようとして、勝負をしてくれた。しかも、勝負に勝った。なのにこれじゃあ、罰ゲームにならないのか? 僕達の犠牲になっただけでは無いのか? 本当に樹君はこれを望んでいるのか? 分からない。こんな事になって、クラスメートは喜んでいる。本当にこれで良いのか樹君? これを樹君は望んでいるのか?
「なあ。新葉君。一体何だよ。樹君はどうしちゃったんだよ。僕達の為に勝負したんじゃねーのかよ。勝ったんじゃねーのかよ。僕達を裏切るって言うのかよ?」
「壱平君。樹君に対してそんな言い方はやめて欲しい。樹君はこんな事になるとは思っていなかったんだ。樹君の本意では無い。樹君は僕や君達の為に頑張ったんだ。それは間違い無い‼︎」
「だとしても、何故こんな結果になるんだ。余計な事しないで、新葉君に任せて置けば良かったんだ!」
陽斗君も壱平君の後を追う様に感情を爆発させた。
「二人共、落ち着いてくれ! 樹が悪く無い事位君達だって分かっているだろう。ここはもっと冷静になって話そう。どうした物だろう。朝陽君は一体何をしたいんだろう。いずれにしても僕が不甲斐無い。この通り、許してくれ‼︎」
陽翔君は何も出来ない事を心から謝罪した。
「辞めてください。陽翔君。僕達が言い過ぎました。陽翔君は全然悪く無いじゃ無いですか?」
何の解決も出来ないまま、静寂が走った。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます