第95話約束通り樹君と友達になろう!

新葉が教えてからと言う物、樹君はメキメキと上手になって行った。元々運動神経の良い樹君は一度分かれば、感覚的に出来る様になるのだろう。


「やったー。俺は勝ったぞー。勝った。勝った」


釣り勝負は樹君が勝った。これで朝陽君と友達になると言う事が決まった。これは喜ばしい事だ。


「やったね。おめでとう樹君」


僕も樹君が勝った事が嬉しい。


「君達は何をしているんだ。こんな所で!」


探しに来た陽斗君と壱平君が四人に注意した。四人は突然の訪問に戸惑うもそれを受け入れる。


「なあ。二人共、俺は朝陽君と将磨君の二人と釣りの勝負をして俺が勝ったら、友達になるって約束させたんだ。で、俺が勝った。だから、今日から二人とは友達になった。皆んな喜んでくれ‼︎」


樹君は喜んで言った。何の事やら分からない陽斗君と壱平君は樹君の言葉を信じて嬉しくなった。樹君と朝陽君達が友達になると言う事は皆んな、元の鞘に戻るだけでは無く、陽翔君のグループに入ると言うめでたい話が待っていると言う事だ。二人も大喜びする。


「有難う。樹君」


二人は樹君に感謝する。樹君は樹君でドヤ顔をしている。


「樹君。君の勝ちだ。約束通り、樹君と友達になろう。今日からは君と友達だ‼︎」


朝陽君はそう言って、樹君を喜ばせた。


「本当かい、嬉しいよ。僕達の元へ帰って来れて!」


陽斗君と壱平君は心から喜んだ。


「何を言っているんだい。僕は樹君と友達になる事を約束したんだ。君達と友達になる約束はしていない。それに君達が勝手に僕の所から離れて行ったんじゃ無いか?」


皆んな、自分の耳を疑った。丁度、そこへ探しに来た陽翔君がやって来て話を聞いてしまった。


「どう言う事だよ。朝陽。お前、俺を騙したのか?」


「何言ってるんですか? 僕は約束通りに君と友達になりますよ。もう、勝負は着いたんだ。帰りますよ。樹君」


朝陽君はそう言うと、樹君の手を引いて帰り出す。皆んなは呆気に取られている。樹君はそのまま連行される様に連れて行かれてしまった。残りのメンバーは口をポカンと開けたまま置いてけぼりにされてしまった。

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