八色運動会⑹

第87話樹君が協力。しないほうが………………⁇

新葉は渚ちゃんに背中を押されたが、直ぐに解決する策も無く、途方に暮れていた。そんな時だった。樹君が力を貸してくれると言うのだった。

「新葉君。こんな所にいたんだ。探しちゃったよ。友達との仲直りの事で困っているんだろう。なら、俺が手助けしてやるよ。俺なら、君の役に立てるよ。今まであいつら俺を見るとびびってたんだぜ、だから、少し、話してやれば、びびって俺の言う事なら、何でも言う事を聞くさ‼︎」

樹君が協力して来る。

「駄目だ。駄目駄目だ。駄目に決まっている。樹君。とても有難い話なんだけど、それは辞めておこうか？」

新葉は手を左右にぶんぶん振り、遠慮する。

「いや、そんな事は無いだろう。元々四人は仲が良かったんだろう。だから、俺が呼び出して、最初はびびって入って来たとしても、その内、陽翔と仲良くなっちまえば、こっちのもんだろう。な！」

樹君はドヤ顔で言う。

「樹君。それじゃあ。駄目なんだって！ 最初に脅して連れて来るって言う発想じゃ駄目なんだよ。悪い事だ。それに樹君が怖い子。嫌な子って思わせたら、意味が無いんだ。僕は皆んなが入ってくれれば嬉しいけど、心からここに入って来て欲しいと思う。それに朝陽君達が壱平君達の様に同じに心地良いと思うかどうかは分からない。だから、無理させても上手く行く筈が無いんだ！」

新葉は樹君を止めようと必死だ。

「なあ、新葉君。俺を少しは信じてくれよ。君の力になりたいんだ。取り敢えず、やって見なけりゃ、結果なんか分からないだろう。それに新葉君だって、方法が無いんだろう。一人で抱え込む事無いだろう。どうせ、渚ちゃんにカッコいい所を見せたくて、引き受けちゃったんだろう。分かるよ！」

樹君は何もかもがお見通しと、言いたげだった。僕は図星の所もあった物の樹君の提案には否定的だ。思う通りにはならないと思うからだ。

「樹君。今回ばかりは僕に任せて貰えないだろうか？確かに今は決定的な思案も無い。今考えている所だ。けど、何とかする！」

新葉は力強く自分の意思を示した。