第82話誘ったって良いじゃ無いか⁈

壱平君と陽斗君の激しい言い合いが続いている。


「陽翔君に会って、話を聞いてくれるだけでいい。会えば分かる。陽翔君の事が分かるんだ。元々僕が彼の気持ちも知らずに逃げ出したせいで君達も友達になれるチャンスを奪ってしまった。悪いと思っているよ。だからこそ、僕は協力したいんだ。僕にその機会を下さい。一緒に友達になってくれると心強いから、頼む。会って欲しい!」


壱平君は訴え続ける。


「くそっ」


陽斗君は不服そうな顔をしながらも受け入れる事にした。


「陽翔君。僕の友達を連れて来ました。今日から陽斗君を仲間に入れたいと思います。よろしくお願いします」


壱平君が陽斗君を連れてやって来た。


「陽斗君。来てくれたんだね。有難う。歓迎するよ」


陽翔君は嬉しそうにニコニコしながら手を差し出して握手しようとする。陽斗君は戸惑いながらも差し出された手を取り握手する。陽斗君は陽翔君の受け入れぶりに目を満丸くしている。この受け入れぶりに戸惑って仕舞う。


「よろしくお願いします。けど、僕はこんな地味と言うか、良いんですか? 僕なんかがこんな華やかと言うか、眩し過ぎるグループの一員になって!」


「何言ってんの、僕は前から君達とは仲良くなりたいと思っているんだ。だけど、君達は僕を見ても関わりたく無いオーラを出していたじゃ無いか? 僕は君達から嫌われているんだと思っていたんだよ。だから、声を掛けたくても掛けられずにいたんだよ。でも、今日はその気になってくれたんだよね。嬉しいよ歓迎する」


「そんな、僕達は王と家来位の差がある様な人と友達になるなんて勿体無いと思っているんですよ」


「何言ってるんだい。君達と僕とで何の違いがあるって言うんだよ。同じ人間じゃ無いか? 僕は両親からいつも兄と比べられて育って来たんだ。だから、そう言うのが一番嫌いなんだ。そんな事を言わないでおくれよ。新葉君がね、君達に会うきっかけを与えてくれたんだ。だから、是非友達になって欲しい。朝陽君と将磨君共友達になりたいって思っているんだ。君達は仲間だろう。是非誘って来てくれると嬉しいよ」


陽翔君は期待している様な顔をしていた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る