第75話陽翔君。何してるんですか。もう辞めて下さい⁉︎

駈君は蓮君に言われるも無く、生徒の異変には気付いていた。


「どうしたら良いんだろう?」


「他人事‼︎」


駈君と蓮君の中では、クラスでのいざこざや朝陽君達に向けるクラスの反応をかなり心配していた。


「でもさー。僕達は何も出来ないだろう。見守るしか無いんだ!」


駈君はそう言って、見守る事を決めている。


「それもそうだね!」


蓮君も納得した様に頷く。二人の思っていた通り、やはりクラスメートの間では噂話で持ち切りとなっていた。そんな状態を許す筈も無いこの男の子は苛立っていた。


「誰の事を言ってるんだ。彼の方の事を馬鹿にしたり、下に見る様な真似をしたら、僕が絶対に許さないからな!」


大翔君はクラスメート達に自分の怒りをぶちまけた。


「だっ、だって、私達の事を忘れた様にあんないるかどうか分からない様な子達に友達を断られているなんて、いやよ。悔しいわ。大翔君だって、そうでしょう。大翔君からも言ってよー」


クラスメート達は陽翔君をとられてしまった様で、悔しくて仕方がない様だった。大翔君がそれを一番感じており、クラスメートの気持ちも分かるのだった。大翔君はどんどん陽翔君の気持ちが分からなくなって行くばかりだった。そして、苛立ちが頂点に足していた。


「陽翔君。何してるんですか? もう良い加減やめて下さい!」


大翔君は我慢出来ず、遂に陽翔君に言い放った。


「大翔君。君はどうして、怒っているんだい?」


陽翔君は大翔君の怒りの矛先を自分に向けているのを不思議に思った。いつもは柔らかい微笑みを向けて来るからだ。


「陽翔君。貴方はクラスメートの長です。クラスの王です。最も高貴なお方と言えるのです。なのに何故ですか? 王国で言えばその辺に転がっている様な平民。いやもっと言えば、家もない様な卑しい身分の者に招待を断れた様な物なんですよ。恥ずかしいとは思わないのですか? 悔しいと思わないのですか?」


大翔君は悔しさの余りにとんでも無い事を口走っている。陽翔君は目を真ん丸くしている。

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