第73話陽翔君が暴走する。

陽翔君は朝陽君達と友達になるのを全く諦めていなかった。寧ろ、勢いに火をつけた様だった。そうして、朝陽君達の獲得に力を尽くした。


「壱平君。昨日は突然呼び出したりして悪かったね!」


陽翔君は最初からやり直すつもりで壱平君に声を掛けた様だ。


「えっと、あの。どうして陽翔君が僕なんかに声を掛けてくれてるんですか?」


「あっ。と、言うか昨日は突然逃げ出したりしてすみませんでした」


壱平君は緊張して、やっとで話を交わしている。


「僕は君達と仲良くなりたいんだ。友達になってくれるかい?」


陽翔君は気軽に声かけて見る。


「僕は、僕達は何て言うか。陽翔君達とは住む世界が違うと言うか、その、だから、つまりその大丈夫です。陽翔君達はそちらで無理して僕達陰キャに声を掛けて来れなくても!」


壱平君は声を絞る様に言った。


「僕と君達の何処が違うんだろうか? そんな言い方されても諦められないだろう。いっそ僕の事が嫌いだ友達なんかになってあげない。と、でも言われた方がまだ、諦めるしか無いかと思う気になるよ!」


陽翔君は壱平君に納得行かない事をアピールする。


「それは陽翔君はそうなんだろうけど、僕は陽翔君と友達になるとかそう勿体無いです」


壱平君は何が何でも拒みたいらしかった。


「今日の所はこれまでにしよう。明日は気が変わるかも知れない。今度は同じ名前の陽斗君に声を掛けて見よう。陽斗君が良い返事をしてくれれば、君の返事が変わるかも知れない」


陽翔君は方法を模索する。陽翔君は計画通り、次に口説くのは名前の同じ陽斗君にする様だった。陽斗君の元に向かった陽翔君。


「やあ、陽斗君。ってか、同じ名前を呼ぶのはチーと恥ずかしい気がするな。まっいっか。所で僕達漢字は違えど、同じはるとだよね。如何だろう。同じ名前同士仲良く友達したいと思うんだけど、どうかな?」


陽翔君は同じ名前の陽斗君に聞いて見る。


「同じ呼び名で嬉しいです。だけど、壱平君はどう思ってるのかな?」


陽斗君は強張った様に少し、慎重になる。


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