第63話C組花菜恵とG組愛美二人の出逢いが………………⁈
女の子は蛇と雛鳥の間に入った。枝木を振り回した。
「ブンブンブンブン」
女の子はたくましく思えたが、その考えは直ぐに打ち消された。それはその女の子は決して逞しい訳ではなかったからだ。
「きゃーきゃー。やめて来ないであっちに行って、雛を食べないできゃーきゃー」
女の子は怖がりながらもその雛を助けようと必死だったのだ。くねくね頭を揺らし、向かって来る蛇にそれを阻止しようと枝木を振り回すのだった。足はダンスでもしている様にこまめに動かして足踏みしている様に足を高く上げて逃げたい気持ちがよく出ていたのだった。
「駄目ー。助けるからね。あっちに行って、怖い怖い」
私は自分も怖いのも関わらず、その子も怖がっているにも関わらず、逃げる事なく戦っている。自分も加勢しなければと考え、枝を折って、その子と同じ様に蛇に立ち向かった。怖かった。怖くて怖くて、足がすくむ。それでも一人より二人。怖さも半減した様な気がした。所が諦めてくれない蛇。それはまあそうだ。美味しそうなご馳走を目の前にして諦める筈も無い。それでも私達もみすみす、くれてやるわけにはいかない。何とか助けたいのだ。それでも怖い。逃げ出したい。蛇はかなり大きい。頭を上げている蛇は太腿迄達している高さだ。そして黒い。蛇などは大っ嫌いなのだ。こう言う時は普通に近付かずに逃げているのだ。
「え〜い。ひゃー。めっ。ヒェーい。ガサッ。バシッ。もー」
二人で退治する。怖さも二人で乗り越える。二人で挟み撃ち。蛇はひっくり返り、一目散に逃げて行く。
「やったー。どっかに行っちゃった。良かった〜‼︎」
二人は大喜びして、抱き付く。バンザイする。雛の方だが、羽をバタバタさせる。すると、飛んだ。一度落ちた。また挑戦。上がった。親鳥も飛んだ。二人の周りをぐるぐる回った。ありがとうと言っている様だった。鳥の親子は飛び立って行った。二人は安堵と喜びで一杯になった。
「ありがとう」
「こちらこそ」
私は嬉しくなった。名前を名乗った。
「C組の藤間花菜恵です。よろしくお願いします」
「G組の前原愛美よ。よろしくお願いします」
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