第55話皆んなの所へ。
皆んなのいる所へと向かって歩みを進めている。歩みを進めている内に数少ない花が植えてあった。椿の花は既に花の時期は終わり、花は咲いてない。葉っぱはあおあおとしている。躑躅が咲いていた。紫陽花もほんのりと色付いている。
「綺麗。こんな所にお花が咲いている」
渚ちゃんはお花が咲いているのを見て喜んだ。
「本当だ。芝生ばっかりだったから花が咲いているなんて思わなかったよ。綺麗だね」
新葉も渚ちゃんが喜んでいるのを見て、僕も嬉しくなった。僕達は少し、躑躅を目でいていた。いつまでもこうしてもいられない僕達は更に歩みを進めた。
並樹道を抜けると広い広場がある。芝生が生えている。広い広い公園だ。そこには人々が集まり、各々のんびりと時を過ごしていた。遊ぶ者。休む者。それは人それぞれだ。
「皆んな何処にいるんだろう。こんなに人が沢山いるんじゃ、皆んな見つかるかな?」
渚ちゃんが心配そうな顔で言う。
「大丈夫だよ。きっと直ぐに見つかる筈だ。広い場所だけど、集団でいる小学生の群れを探せば良いんだ。取り敢えず探そう」
新葉は渚ちゃんに心強く言った。
「うん」
渚ちゃんは首を縦に振ると、僕と一緒に探し出した。
「あっちに行って見よう!」
新葉の指を刺した方向へと歩き出した。そう遠くには行って無いはずだ。小学生らしき子が所々にいる。そちらの方へ行けば何処かにいるだろう。僕達は片っ端らから探した。近付くと、見知った顔がいた。早速側へと近付いた。
「新葉君。渚ちゃん。何処に行ってたの。遊ぶ時間無くなっちゃうよ!」
海咲ちゃんだった。仲間がそこにいた。
「ごめん」
新葉は安心した。こう言う時に会うはずの人に会えるとこうもほっとするものなのだろうか?
「樹君達は?」
海咲ちゃんが聞く。
「樹君は腹痛になって、速くは戻って来れないんだ。けど、こっちに向かっているから、大丈夫。もう少し、待っててあげて!」
新葉は出来事を話した。そして、樹君達が帰って来た。帰って来た頃には少し、調子が良さそうに見えた。
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