第52話銚子中央みどり公園。

現地到着。ここは中央みどり公園だ。ここはだだっ広い芝生で緑の木々が所々に植えてある。僕達の他にも人々が集まっていた。フリスビー。ボール蹴り。ボール投げ。散歩。散策。ブルーシートの上で休憩取っている人。老若男女子供達も多くの人が集まり、ひと時を過ごしていた。僕達H組はH組で集まり、他のクラスの子はここにはいない。この場所の何処かにはいる筈なのだけれど、こう沢山の人がいると分からない。が、塊の子達がいると、何組の子達だろうと見て取れた。僕の計画としては先ずはこの場所の散策だ。


「なあ。余り、遊ぶ時間が無いから、缶蹴り、ダルマさんが転んだしようぜ!」


樹君が張り切って言う。


「うわ。ダサッ。昭和かよ。ふり〜遊び‼︎」


陽太君がダメ出しを言う。


「なっ。そっ、そんな事無いだろうよ。子供って言うのはお天道様の下で思い切って遊ぶんだよ。出ねーと来た意味ねーじゃん!」


樹君は完全否定しつつも自分の主張はする。


「いや。ここはまず、散策だろう。ここまで歩いて来て、疲れている子だっているだろう。着いて直ぐに走るとかはナンセンスだ。先ずは散策しながら、今日何をしたら、一日を楽しくするかを決めて行けば良いだろう」


陽太は皆んなの気持ちを読み取るかの様に提案した。


「「「賛成」」」


皆んなの統一された賛成に樹君は崩れる。皆んな、陽太君の後をついて行き、それぞれが今日やりたい事を述べて行く。樹君は後方でいじけながら歩いていた。


「ごめん。大地君達先に行ってて、僕はあそこにいる厄介者を拾って来るから‼︎」


新葉は言って、樹君の方へと向かった。


「あっ。待って、新葉君。私も迎えに行く」


そう言って、心春ちゃんは名乗りを上げた。


「心春ちゃんが行くなら、私も行く。海咲ちゃん。直ぐに追い付くから、先に行ってて!」


と、言って渚ちゃんも着いて来た。僕は二人と共に樹君の所まで来た。


「樹君。皆んなの所に早く戻ろうよ」


新葉は樹君を連れて行こうとすると、


「新葉君。俺ら、このまま抜け出そうぜ! 渚ちゃんと二人っきりになりたいだろう。俺ら、このまま別な所に行こうぜ!」


樹君が僕に耳打ちをした。

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