第51話渚ちゃんと遠足。

遠足当日朝。スクールバスの中。いつもの面々がザワザワとしていた。やはり、小学生。遠足に行く楽しみを隠しきれないのだ。


「児童遊園。皆んな行った事ある?」


駈君の質問に皆答えるが同じ返事が返って来る。


「「「無〜い」」」


それを皮切りに遠足の話で盛り上がって行く。


「渚ちゃん。今日持って来たシートは何にしたの?」


海咲ちゃんが聞くと、


「え〜と。ブルーシート。前に持っていたシートは濁流で流されちゃったでしょ。あれから、まだ、買って貰って無いんだ。こんな事まで頼むのも気が引けちゃってね」


渚ちゃんは少し寂しげに言った。


「いーよ。いーよ。ブルーシート。ちょっと大人になった感じがする。私の所はかろうじて無事だったけど、持っていたら持っていたであの時を思い出すって言うか。うん。まあ、何て言うかさ!」


海咲ちゃんは話す。


「僕もブルーシートだ。奇遇だね」


新葉は口から出てしまった。


「僕もだ。奇遇だなー!」


大地君も口に出した。ナイスホロー。流石は大地君。クゥー。今日は渚ちゃんと遠足。楽しまないと後悔してしまう。明るく行こう。


「渚ちゃん。もう直ぐ学校だ。今日一日遠足を楽しもうね」


新葉は笑顔で渚ちゃんにアピールした。


「うん!」


渚ちゃんも笑顔で返事をしてくれた。スクールバスを降りて学校に集まった。学校では今日の予定と説明をすると、早速遠足の時間になった。A組とB組は別枠で他に行くらしいがC組からH組までは同じ所を目指して行く。とは言え、場所に着くまで少し遠いので、途中までは組み毎にスクールバスに乗って行く。そのスクールバスを降りた所だ。今からは一列になって、現地まで歩いて行くのだ。大地君。僕。渚ちゃん。海咲ちゃん。駈君の順番で並んではいる物の、実際は一塊と言っても過言では無い。


「「「アハハハハハハ」」」


ここからは既に遠足なんだ。渚ちゃんと行く遠足だ。楽しいに決まっている。時々、渚ちゃんの手に触れそうな位接近して歩いている。僕は少し、ドキドキしながら現地に向かう。

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