第49話約束だけじゃ無い。心の赴くままで!
皆んなが心配して駆け付けて来てくれた事で、ジューフレン問題は一人で抱える事は無くなった。渚ちゃんに話を聞かれたかもの件に付いては曖昧のままだった。今回聞かれなかったとしても今後樹君が僕以外の人間に話さないとも限らない。なので、少し、弱みを握られている様な気掛かりは残った物の、まあその場は丸く治った感はあった。
「新葉君。教室に戻ろう!」
と、言った。渚ちゃんの言葉で僕達は教室へ戻る事になった。
「うん!」
僕はここで思った。妹音葉の気持ちが分かった気がした。半分生きた心地がしないと言う気持ちだ。途中で樹君は僕の腕を肘で軽く突き、人の恋路を茶化す様な場面も見て取れた。だから、僕も黙ってろアピールを必死でした。けれど、樹君はニヤけ顔で何度も揶揄っている様に見えた。僕は済ました顔で何も無い顔でいた。
教室に戻ると、いつも以上にクラスの子達が僕達に話し掛けて来た。僕はジューフレンへの後ろめさはある物の、本来の目的はこれだった。新葉は幼い頃に亡くなってしまった女の子と約束をしている。その子の分まで学校へ通う。友達を沢山作ると言う約束だ。それを守るには今こうしてクラスの子達と仲良くなる事は何よりも喜ばしい事なのだ。何よりも新葉自身が一番嬉しい事だった。
「新葉君達何処に行ってたの?」
クラスメートの女の子が僕に話し掛けて来た。
「秘密の場所」
僕は気楽に返した。
「えー何。秘密の場所って。気になる〜!」
周囲のクラスメートの子達も気になる様だった。こんなにも皆んなと気さくに話せている事に僕は心地良さで一杯だった。渚ちゃんも早速心春ちゃんと喋り出している様子だった。
「樹君。新葉君と友達になったの⁈」
クラスの女の子が話し掛けると、
「はあ。わり〜のかよー‼︎」
樹君はその女の子に顔を飛ばす。女の子は震え上がる。
「あーあー。駄目だ。駄目だ。そう言う所だよ。樹君!」
新葉は釘を刺す。
「「「やっぱり、新葉君は樹君の猛獣使いね!」」」
誰と無く。クラスの子達が口々に言った。
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