第47話恥ずいから僕の心の内を語らないで!
「ど、どうしてそんな事を言っているの?」
新葉は焦り、冷や汗を書いている。
「何言ってるんだい。同志だから分かるに決まっているだろう。図星言われて恥ずかしいのかい。可愛い奴だなーー」
樹君は含みを持った笑みを僕に向けていた。
「あっ。えっと、違うんだ。僕はそんなんじゃ無い。僕と渚ちゃんとは幼馴染で渚ちゃんはとても優しい子なんだ。僕は元々喘息持ちで渚ちゃんはそんな僕を気に掛けてくれていたんだ。今はすっかり、喘息の方は遠のいているから大丈夫なんだけど、僕は渚ちゃんにはずっと感謝しているし、渚ちゃんは渚ちゃんで僕が一年の時の夏に僕の事で聞かれた時に友達だと幼馴染だと言われているんだ。だから、分かるよね。僕と渚ちゃんの関係を変な風に扱わないで欲しい」
新葉は顔を真っ赤にしながら、説明する。
「はあ。まあ良い。そう言う事にして置いてやるよ。分かりやすい」
樹君はにやけた顔で言っている。
「そう言う事にって、樹君。僕の言っている事分かって無いでしょ。もし、こんな話渚ちゃんに聞かれたら、嫌われちゃうの嫌だから、二度としないでね!」
僕は樹君に口止めした。
「ああ、分かった。分かった。新葉君が渚ちゃんの事を好きなのは黙って置いてやるよ。俺と新葉君の秘密にして置いてあげる!」
樹君は益々僕を揶揄っている様だ。
「んぐっ。ク〜。もう。樹君は全然僕の話を聞いてくれない」
新葉は益々顔を赤くして否定する。
「分かったって‼︎」
樹君は益々ニヤけ顔をして行く。
「全然分かって無〜い」
新葉は顔を真っ赤にして憤慨する。僕はこいつを何で良い子だなんて思ってしまったんだろう。本当にお兄ちゃんにそっくりだ。こう言う所。僕を揶揄うのを楽しんでいる。お兄ちゃんにそっくりな性格のこの子は大嫌いだ。いつかは問題を起こすよ。きっと…………………。
こんな風に喋っていると、廊下の向こうから、複数の足音が聞こえて来た。誰だろうか?
「新葉君。ここにいたんだ。探しちゃった」
そこには旧学校の仲間達が来た。あっ。まずい。今の話を渚ちゃんに聞かれなかっただろうか? 」
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