第46話もし、渚ちゃんに聞かれたら………………
翌日。スクールバスの中。僕は昨日の出来事に友を止めると言われた宣告に学校に行くのにとても気が重かった。それを察したか、元の学校の仲間達もまた、重い面持ちで黙ったままでいた。スクールバスが学校に着くといつものボロい学校の教室の中へ僕達は入って行った。教室に入ると、既に生徒達は来ていた。
僕は教室の中を見回した。ジューフレンのメンバーは影を潜めるかの様に俯いていた。それとは違い、主流のメンバーが僕に挨拶してくれている。
「お早う新葉君。ヨロシク」
主流のメンバーが手を振ったりもする。樹君も昨日の事は無かった様にニコニコして寄って来るのだった。それも飼い猫の様にベタベタとだ。僕は樹君を読んで話を聞く事にした。
「樹君。聞きたい事があるんだ。君は僕の友達になりたいのかい?」
新葉は不思議がって聞いてみた。
「酷いなー。新葉君。僕達は友達じゃ無かったのかい?」
樹君は質問に答えるも僕は友達だったんだ。そんな感じだった。僕は樹君が友達だと思ってくれるなら、断る理由は無い。けれど、何故僕なんだ。何だかんだで主流の子達にも認められている様だから、僕じゃ無くても良い気がする。それにジューフレンの皆んなを裏切ってまでも樹君と友達になる必要も無い筈だ。どうした物だろう。まず、何で僕なんだ。それが知りたい。
「樹君。何故、僕なんだ。僕と友達になろうと思ったの?」
新葉は疑問をやはり、聞いてみた。
「そんなの決まっているじゃ無いか? 君が僕の同類だからだよ」
樹君はそう言って、顔を赤くしている。
「どう言う事?」
新葉は益々不可解に思った。
「分からないのかい。君は藤島渚ちゃんの事が好きだろう。君は彼女の為なら、何でも頑張れちゃうんだろう。俺に逆らう者は誰もいない。紬は別だけどな。男の子なら、女の子の為に立ち向かうのは良いよな。俺はそこが気に入った。君が気に入ったんだよ新葉君」
樹君は僕にそう言った。何と無く理解したけど、それを聞いて僕は急に恥ずかしくなった。え〜。もし、渚ちゃんに聞かれたら……………どうすんの僕。
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