第45話皆んな仲良くなれば良いのに‼︎

僕達ジューフレンは騒然としている中、樹君は怖い顔をして僕の仲間達を睨んでいる。これは気まずい。何故、ここに樹君がいるんだ。


「僕は目立ちたく無い。隅で大人しくしているから、今言った事は聞かなかった事で。じゃあ。僕はこれで!」


陽斗君はそう言うと逃げる様に立ち去ろうとした。


「聞かなかった事に出来るかー」


樹君は今にも殴りそうな勢いで怒っているので、僕は樹君を歯がいじめにして、樹君はその場でジタバタしていた。


「待って、くれよ。陽斗君。待ってー!」


陽斗君の後を追って、将磨君と壱平君が逃げる様に行ってしまった。後に残った朝陽君も僕に寂しげな顔を向けた。


「悪い。僕らは目立つ世界じゃ生きて行けないんだ。新葉君達は僕らとは違う様だね。元々無理だったんだろう。さよなら」


そう朝陽君は言うと三人の後を追って行ってしまった。


「あっ。待って、僕もまだ話が………」


新葉は慌てて言葉を掛けるが朝陽君は三人の後を追って行ってしまった。そんな。皆んないい子ばかりだと思うのに何でこんな風になるんだ。


「しょうがないよな新葉君。黒崎達とも会わないって言うし、新葉君達とは違う世界にいるらしいんだ。無理も無いだろう。彼らが無理だって言ってるんだからさ」


樹君は繕う様に言葉を伝える。何か新葉の中で沸々したものが沸いていた。


「僕は彼らとは友達なんだ。君には分からないよ!」


新葉は抑えられず、感情を表に出した。


「ごめん。俺の。俺の……………。だけど、黒崎達は輝いている様に見えるのかも知れないけど、普通に良い奴らだ。人を下に見る様な奴らじゃ無い」


樹君は熱く語る。


「そんなの僕だって、知ってるよ。お互いにいい子達だ。仲良くなれば良いと思っているよ。だけど、色々な子がいるだろう。君だって、もっと、早くに仲良くして置けば良かったんだ。怖い子に見せなければ、もっと、上手く行っていた筈だ。どうするんだよ。僕はどうすれば良いんだよ。なあ、樹君。教えてくれよー」


新葉は吐き出す様に言った。完全に樹君に八つ当たりをしている。樹君は何も言わずに去って行った。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る