第43話意外な関係性。

「もう。新葉君を盾にして逃げるんじゃ無いわよー。あっ。新葉君。昨日はお疲れ。あなたの判断には驚かされたわ。次が楽しみよ。じゃあ」


紬ちゃんは言うと樹君をボコす。やられている樹君。新葉は心配する。


「樹君。もうこうなるんだから、おいたは駄目だよ」


新葉は言って、手を差し出す。


「有難う。新葉君。昨日も今日も新葉君は僕の味方だ。救世主だ」


樹君は僕を盾にしながら、お礼の言葉?を述べている様だった。


「ねえ。新葉君。すっかり樹を手懐けちゃったわね。猛獣の捕獲よ。まあ、昨日のアレを見せ付けられたら、樹の服従振りも分かる気がするわ。樹は見る目があるのね」


岩波結愛ちゃんが二人の仲に関心を持った様だ。


「ぐっ。猛獣の捕獲って、俺を何だと思っているんだよ!」


樹君はその言葉に直ぐに反応して否定する。


「樹。あんたが人とこんな風に関わるなんて不思議よね。少しは成長したって言うか?」


岩波結愛ちゃんが話し掛けている。


「おい。何だって言ってんだよ」


樹君は揶揄われていると思い発狂している。それを見ていた紬ちゃんが樹君を見守りながら、睨み付けている。


「ああ、勘違いしないで欲しいんだけど、別に揶揄っている訳じゃ無いのよ。ただ、良い友達が出来て良かったなって思っているだけよ」


結愛ちゃんはそれを言いたかった様だ。


「有難うね。新葉君。樹の友達になってくれて!」


結愛ちゃんは僕にお礼の言葉を送って来た。


「お前はオカンか〜?」


樹君はやはり憤慨している様だった。段々と分かって来た。僕が最初に感じていた同級生達と樹君との関わり方が意外にも違っていた様だった事を!

これはもしやお兄ちゃんと学校の仲間達の関わり方もこんな風だったのかもしれない。何と無く僕はホッとした気がした。


「まあまあ。樹。新葉君。ドッジボール試合をした時の二人のコンビは最高だった。樹の上手さを最大限に引き出してくれた。オレ達も活躍出来た。二人共本当にありがとう」


黒崎陽翔君が礼を述べた。やっぱり、樹君は皆んなにこんなにも認められている。僕は僕のお兄ちゃんを認められている様でとても嬉しかったんだ。

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