第16話初めての体育をする日。
ー次の日ー
初めての体育をする日だった。新葉達に取ってこの学校に来て初めての体育だ。体操服に着替えた頃だった。
「新葉君。体育初めてだろう。僕が案内するよ」
ニコニコしながら樹君が来た。新葉は前日同様の態度に飽きて無いのか? ふと思う。今までの変わり様に呆気に取られ唖然とするが、このままでいてくれれば、いいとも思う。
「いやいや、初めてなのは樹君も同じでしょ。僕だって、体育館の場所くらい知ってるよ」
新葉は手を振りながら言った。普通に話してる僕らを見て、皆んなは引いている様にも見える。
「新葉君。迷子になると行けないだろう。俺が一緒に行ってやるよ。ほら遠慮すんなって。俺達同士だろ。だから一緒に行こうぜ」
樹君は新葉の腕を握る。
「同志何の」
新葉は首を傾げて聞く。
「このこの惚けちゃって。男は本当に辛いよなー」
言って、樹君は指でツンツンする。全く何の事か分からない新葉は困惑する。
「おい樹。お前。何企んでるんだ。新葉君が困っているじゃないか?」
「やだなー。陽斗君。人聞きが悪いなー。僕はただ友達の新葉君と一緒に体育館に行こうとしてるだけじゃないか。なっ。新葉君」
言って、樹君は新葉の腕に抱き付く。
「本当なのか新葉君」
言って、陽翔君が心配そうに詰め寄って来る。新葉はこの展開について行けずあたふたして居る。心春ちゃんが心配そうにこちらの様子を見て廊下の方で伺っている。樹君は更に新葉の腕をギュッと握る。新葉は心配そうな陽翔君や心春ちゃんを見て、
「うん。樹君と一緒に体育館に行こうとしてた所何だ」
新葉は咄嗟に言葉が出てしまった。僕は一体何をやっているんだ。折角助け舟を出してくれているのに!
「ほらな。新葉君もこう言ってるだろ。僕達は友達になったんだ。大地君も一緒に行こうよ」
樹君はニコニコしながら言った。大地君も突然の申し出にこっちに振るなよと思いながらも苦笑いしてそれに応じた。
「新葉君がそれで良いんなら良いんだ。悪かった樹」
言って陽翔君はその場から離れた。なんかごめん。陽翔君。
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