第12話僕が何とかする。
「仲間割れしてる場合じゃあ無いだろう。樹君の問題も有るけど、花形。中心的存在。中心的人物。中核的存在。リーダー的存在達の重要人物に目え付けられてしまったんだから、そっちの方が問題だよ」
将磨君が焦り声で心配している。
「今までずっと、目立たない様にして来たのにこの先、どうすんだ。僕達」
今度は陽斗君も同じ様に心配している。
「一旦。僕達は別々になって様子見をしよう?」
朝陽君はそう提案して来た。
「うん。分かった。僕が何とかする。君達に迷惑は掛けたくは無いんだ」
新葉は決意の様な物を心に刻んだ。
「あんた何とかするって、誰を対象にして言っているか分かっているの?」
陽奈ちゃんは呆れ返った様に溜息を付くばかりだった。
「僕は本気出し、樹君とだってちゃんとに話して見るよ。怖い事は怖いけど、僕は心春ちゃんの優しい子だって言った事を信じて見ようと思うんだ。だから、それまで信じて待ってて欲しいんだ。皆んなお願いします」
新葉は頭を長く下げていた。
「私は別に目立っても良いんだけど、私の友達は余り目立ちたくは無い筈よ。何とかするって言うんなら何とかしなさいよ」
陽奈ちゃんは自分の言いたい事だけ言うと去って行った。
「新葉君。本当に大丈夫なのかい? 僕達は様子見をするつもりだけど、くれぐれも樹君には深入りしない方が良いよ」
朝陽君は心配している様子を見せてくれた。
「有難う」
新葉は朝陽君の心配に感謝する。そんな事とは裏腹に何故か樹君が翌朝僕の机にやって来た。
「やあ。新葉君お早う」
とびっきりの笑顔で樹君は僕に挨拶をして来た。クラスメートの皆んなは僕達二人を凝視して来た。皆んなざわつき始めた。何とかすると、言った僕だったが流石にこれは体が拒否反応を起こした。ビクッとしたのだ。昨日までは僕を殴り掛かろうとしていた樹君が、今日には満面の笑みで僕に挨拶して来たのだ。何かおかしい。変だ。疑うのも無理の無い話である。昨日の謝罪といい今朝の挨拶といい、このまま鵜呑みにして良いのだろうか?
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