第11話何かごめん。

「何かごめん。僕が何とかする」


 新葉は皆んなに謝った。


「気軽に言うな! あの樹君だぞ。樹君に目えー付けられて何処が何とかなる。半殺しの目に遭わされるだけだぞ!」


 将磨君は心配している。


「そこまで⁈」


 新葉はポツリと言葉を漏らした。


「ここに居たのね。何やってるのよ。あんた達は人に目立つなとか言って置きながら、あんた達の方がよっぽども目立っているじゃ無いのよ!」


 陽奈ちゃんが後から来て、忠告しに来た。


「ホントごめん」


 新葉は陽奈ちゃんにも謝った。


「あんたさー。渚ちゃんって言う子の事なら何でも聞くのね」


 陽奈ちゃんの言葉に僕は顔を赤く染めた。


「おい。茶化すなよ。渚ちゃんは数少ない同級生だろう。新葉君が言う事聞くの当たり前だろう。俺達だって頼まれたら直ぐに言う事聞くよ。お前と一緒にすんな!」


 壱平君が庇ってくれただろうに言ってくれた。


「お前と一緒にすんなってどう言う意味よ。あんた聞き捨てならないわねー」


 陽奈ちゃんは直ぐに反応して突っ込む。


「待った待った。今そんな事争ってる場合じゃ無いだろう。本題に戻ろう」


 将磨君が二人を止める。


「まあ、そりゃあそうよね。このままあの樹君が見逃してくれるとも思えないしね。新葉君あんたこれからどうするつもりなのよ。樹君に目をつけられちゃってさ。樹君と渡り合って行けると思って無いわよね。もし、こっちまで被害が出そうなら私はこのグループ抜けさせて貰うからね!」


 陽奈ちゃんはいつに無く真剣な眼差しで言った。


「皆んな樹君の事、凄く悪く思っている様だけど、そうかなあー。心春ちゃんが言ってたんだ。本当は優しい子だって、だから、皆んなが思うほど悪い子じゃ無いんじゃ無いかな!」


 新葉は思ったままの事を話した。


「ハハハハハハ。怖さの余り、現実逃避。無いない。樹君に限ってそれは無い。昔はそうだったとして今は全然。そんな風に思っていたんなら酷い目に遭っても私は知らないわよ。優しい人なんて思っている人はここには居ないわよ。あんたおめでたい人ね」


 陽奈ちゃんは新葉を諌める。


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