第10話ジューフレンのピンチ。
新葉は朝陽君の言葉を聞いて、少し我に帰った。そうだ。朝陽君の言う通り、僕は樹君に食ってかかっている。この先どうする僕。
「いや違うんだ。僕はそんなに勇気がある訳じゃ無いんだ。僕は本当に気が弱いんだよ。ただちょっとした事情があるからね、止めに来たんだ」
新葉は答えた。まさか本当の事は言えないな。渚ちゃんに言われたからなんて!
「そうなんだ。有難う二人を止めようとしてくれて」
朝陽君が言った。朝陽君は優しい。だけど、僕の行動で僕は目立ってしまった。樹君に目を付けられてしまったに違いない。僕は目立ち過ぎた。僕のせいで朝陽君まで目立たせてしまった。ジューフレンのメンバーは目立たない様に行動して来た筈なのに樹君の逆鱗に触れてしまった。しかも謝罪まで、関わりたく無いと思っていた張本人に思いっきり関わっている。この先どうすればいいんだ。ジューフレンのピンチでは無いのか?
「だけど、どうする新葉君。僕達は目立ち過ぎた。樹君もそうだけど、リーダー格のメンバー達にまで目立ってしまったよ。これからどうするんだい。ジューフレンの仲間達の事もあるし、何とかしないとね」
朝陽君はとても心配している。三階の階段踊り場。僕達は困った事がある時はいつもここを占拠している。ここは僕達の基地みたいな場所だ。その他にも数少ない下駄箱のボイラー室の前。ここも人がいないので話す事が出来る場として有る。
ジューフレンの仲間である三人瀬尾将磨と森沢陽斗と真田壱平が僕や朝陽君を探しにやって来た。
「あっ。居た。二人共何やってんだよ。二人が目立って何やってんだよー」
将磨君が顔を引き攣りながら、駆け込んで来た。
「よりにもよって樹君に目えー付けられる様な事して、説教してどうすんだよ」
陽斗君も顔を引き攣って、駆け込んで来る。
「そうだよ俺たち、これからどうすんの! 完全に目え付けられたよ。怖いよ。どうすんの新葉君。君達と仲間になってからは目立ちぱ無しだよ。今までずっと目立たない様にして来たのに! 朝陽君まで!」
最後に壱平君が会話に乗る。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます