第8話邪魔ばっかすんな‼︎

 紬ちゃんは樹君をその場から連れて行こうとする。それを嫌がる樹君は紬ちゃんを突き飛ばす。


「新葉君」


 渚ちゃんの一声。渚ちゃんの言葉に咄嗟に動いてしまう僕。本当は怖くて堪らないんだけども、


「女の子に乱暴な事しちゃダメだよ」


 言って、新葉は止めに入る。


「ドカッ」


 音がする。樹君が紬ちゃんに蹴り飛ばされる。樹君が紬ちゃんに詰め寄る。間に入って止めようとする新葉。


「お前なー。さっきから邪魔ばっかすんな。女の子に乱暴な事すんなって言うけど、あいつの何処が女の子なんだよ。女だと思って手ぇ出さねー事をいい事にオレは散々やられてんだよ。乱暴してんのはあっちだ。どっからどう見てもわかんだろ」


 樹君は言った。


「そうだけど、それでもダメだよ。樹君。女の子には優しくしなきゃ」


 新葉は言う。いつの間にか樹君と普通に話していた僕。


「紬。第一お前に関係ねぇだろ」


 樹君は紬ちゃんの方を向き言う。


「あんたみたいな。空っぽな人間は私が注意しないといけないわよー」


「何だと」


 樹君が怒る。心春が悲しそうな顔して頭を抱える。


「違っ。違うんだ心春。オレはただ。お前に………………」


 樹君は必死に心春に話し掛ける。しかし、心春は俯いたままでいた。


「樹君。もうやめるんだ。樹君が投げ飛ばしたサックペンはとても大切な物なんだ。引っ越しして行った広平君から貰った思い出の品なんだ。大地君に取ってとても大切な物なんだよ」


 新葉が言った。樹君はしゅんとして立っている。


「凄い。樹君が説教されてる。嘘でしょ。面白〜」


 女の子が前に出て来て言った。神藤陽葵かんとうひまり。二十七番。陽太二十八番の右隣の前の席。髪型はバンクロックガール。身長は海咲より少し高め。体格は身長から見てもごく普通で服装はオレンジ色の服にジーンズの半ズボン。靴は黄色。面白い事が大好き。


「それまでだな樹」


 男の子も前に出た。黒崎陽翔くろさきはると。二十二番。樹二十三番の前の席。髪型はアクティブショート。身長は大地より少し高めか。体格はやや細めに見える。服装は黒と小豆色のチェックの服に赤小豆色のズボン。靴は黒茶色。リーダー的存在。

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