第7話野獣を抑える者。
新葉は震え上がった。樹君は蹴り飛ばされ、ロッカーまで突き飛ばされた。紬ちゃんは誇った顔をしている。大地君はボーっとしたまま呆気に取られている。
「何しやがるんだよ〜。女は引っ込んでいろよー」
樹君は立ち上がると、紬ちゃんに詰め寄る。
「もういい加減にしなさいよー。他校から来た子にまで、喧嘩売ってどうすんのよー。ずっと抑えて来たけど、もう限界よ。あんたの好き勝手にはさせないんだからねー」
紬ちゃんは言い返した。
「女が足なんか上げるなよ。ずり〜じゃねーか。男は女子に手え上げられねーんだよ。なーーあー」
樹君は理不尽を訴える。紬ちゃんは平静な顔をしている。
「どうだか、女に負けるのが恥ずかしいだけなんじゃ無いの?」
紬ちゃんは言い返す。
「何だとー。やるかー」
「やれるもんならやって見なさいよ。この意気地無し」
「女だと思って黙ってやられてりゃあー。我慢ならねー。ムムムムム」
その声を聞いて
「何をやってるの樹?」
岩波結愛が叱り付ける。
「うるせ〜。女は引っ込んでろ」
樹は追い払おうとする。
「やめるんだ樹君。こんな事しちゃあダメだ」
言って、朝陽君が現れて止めに来た。怒りが抑えられなくなってしまった樹は朝陽を今度は殴ろうとしてしまいパンチをしようとする。
「新葉君」
渚ちゃんは勢いよく声を掛けた。新葉はガシッと樹君の手首を掴み止めた。周りは騒然とする。いつの間にかクラスメートが二人の周りを囲む。
「お前は一体何なんだよ。いい加減に………………」
言って、樹君は思いっきり殴ろうと拳を握り振りかぶろうと手を前に出す。新葉は震え上がり怖さの余り目を閉じたまま膠着している。
「やめて‼︎ もういい加減にして樹君」
声を出す少女の声。そっと、新葉は目を開ける。すると、そこには拳を握ったまま固まっている樹君が立っていた。止めたのは心春だった。心春ちゃんの言葉は樹君の動きを止めた。フリーズでもされたとでも言う様に樹君の動きを止めたのだ。
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