第5話新しく友達になれそうな子

 意味深に伝えて来る陽太君。大地君は当然気になり、陽太君を引き止める。


「それはどう言う事だい?」


 大地君は聞いた。


「まあ、今に分かるよ」


 陽太は言うだけで言うと行ってしまった。


「何。あれ」


 海咲ちゃんは言って、呆気に取られる。気を取り直して皆んなで話をしていると、心春ちゃんの所に女の子がやって来た。女の子は心春ちゃんに気軽に話し掛ける。


「心春ちゃん。会いたかったよー。ここの所色々あってさ。忙しくてさ。なかなか会いに来れなくて寂しかったよー。やっとで目処が付いたんだよ」


 その女の子は一方的にベラベラ喋っていた。旧学校の僕達はその勢いに面食らった。


「何。この空気。もしかして私。心春ちゃん。私の居ない間に浮気してたの。いつの間に」


 その女の子が言った。面白い事を言う女の子だなと僕は思った。


「もう。結菜ちゃんてばー。変な誤解される様な事言わないの」


 心春ちゃんはその結菜と言った子に言った。


「あっ。紹介するわね。この子は栗橋結菜ちゃんよ。私の親しい友達よ」


 心春ちゃんは紹介した。紹介されて、


「私は栗橋結菜くりはしゆいな。心春の親友よ。よろしくねってクラス紹介の時、自己紹介したよね。皆んなは旧学は東端の市湊側小学校の子達だよね。あの五人しかいないって言う学年の」


 結菜は言った。栗橋結菜。三十番。渡辺駈の丁度隣の席の女の子。髪型はレイヤードボブ。身長は海咲ちゃんと同じか気持ち高い位で、体格は少し細っそり見えるか。服装はオレンジと水色のボーダー柄の服でキュロットスカートは白に灰色の模様。靴は茶色。懐っこい感じの女の子。


「今は確かに五人だけど、当時は六人いたのよ。加瀬広平って子がいたの!」


 渚ちゃんは言った。


「その子はどうしたの」


 興味津々に聞いて来る結菜。


「この学校に来る前に訳あって引っ越しして行ったのよ」


 渚ちゃんは告げる。


「そうなんだ」


 結菜は聞いた。渚ちゃんと仲良くしてくれている。結菜ちゃんは面白い子出し、心春ちゃんは優しそうな子出し、このまま僕達の新しい友達になってくれると良いな。

 

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