第6話 喪失のすべて

「濡れまくってるのに狭くて……めっちゃ気持ちいいよ」


 ユーゴがそう言って、私の額にちゅっと口づける。恥ずかしくてなんと答えていいかわからず、押し黙っていると、今度は唇にキスされた。徐々にキスが深くなり、彼の熱い舌が口内に入ってくる。ざらりと上あごを舐められると、反射的に体がビクリと震え、たまらない気持ちになる。


「ふぅっ……ん……」

「……中が柔らかくなってきた」


 慎重な動きで、ユーゴが腰を揺らす。その動きが思いがけない快感をもたらし、私はたまらず高い声を上げてしまう。


「んぁっ…!」

「…気持ちよさそう」


 私の反応を確かめて、ちょっと嬉しそうな顔をしてから、ユーゴは少しずつ腰の動きを早めていく。二人の結合部分から聞こえる、ちゅぷ、ぬちゅっといういやらしい音が大きくなってくる。


「すごい音してるぞ……」

「や、やめ……んっ…言わないで…」


 恥ずかしさのあまり顔をそむけるけれど、すぐにユーゴに顎をつかまれて引き戻され、キスされてしまう。私の中は、もうすっかりグズグズになっていて、ユーゴを完全に受け入れている。探るようにゆっくり抜き差ししていた彼の動きが、徐々に激しくなっていく。


「ん…あっ…あぁっ…ン、あ……」


 気持ちよすぎる。涙が出そう。頭が真っ白になっていく。

抜けそうなほど腰を引いてから、一気に奥まで突かれると、全身がしびれるほど気持ち良い。私は自然とその快感を追いかけて、彼の動きに合わせようと腰を揺らしてしまう。


「自分で腰動かしちゃってる…」


 ユーゴがにやにやと見下ろしているのに気づいたけど、理性が溶けかけていて、私はもうまともに返事もできない。


「んんっ…だって……きもちよくて……」

「…可愛すぎるぞ、おまえ」


 また激しいキス。彼の熱い舌に、必死で自分の舌を絡ませながら、もっと、もっとと腰を揺すってねだってしまう。ユーゴのものがますます硬さを増した気がする。グリグリ、と膣の最奥を抉るように突かれて、乳首を転がしながら胸を揉まれて、たくましい腕に抱きしめられて、私はたとえようもない幸せを感じていた。


「ふっ…うン…あ、ああっ……」

「はぁっ……出そう……」


 ユーゴが苦しそうに耳元でささやく。その吐息が引き金になって、私はまた快感の高みに引きずられていく。


「あっ、あ、だめっ…また来ちゃうっ……!」


 次の瞬間、ビクビクビクと膣の内側が震えて、目の前に閃光が走った。そして、とろけるような感覚が全身を飲み込んでいく。

同時に、私の中でユーゴのものがブルッと震え、奥の壁にこすりつけるようにして、温かいものが放出されたのを感じた。


「あ、あ、中に出てる…っ…!」

「…っ…搾り取られる…」


 ユーゴは苦しそうに目をつむって、最後の力を振り絞るようにグイッ、グイっと腰を打ち付け、私の中にたっぷりと精を吐き出している。その動きが、また私の内側を刺激して、膣壁がビクン、と反応してしまう。


「んっ…あ、あ…気持ちいいのが終わらないっ……」


 思わずこぼれた私の言葉に、ユーゴは腰の動きを止めておかしそうに笑った。


「ほんとに可愛いな、おまえ」

「んっ……」


 ズルリ、と彼のものが勢いをつけて引き抜かれる。同時に、内側に放たれた彼の精が、足の間からどろりと垂れ落ちてくるのを感じた。ユーゴがその様子をじっくりと眺めてくるので、私は必死で足を閉じようとするのだけど、力の戻らない下半身は言うことを聞かない。


「やだ、ユーゴ、見ないで…」

「見ろよ、ヘザー」


 ユーゴは純白のシーツを指さして、にやりといたずらっぽく笑う。そこには、私の中からこぼれた彼の精液と、そこに混ざった処女の証の赤い血液が、点々と跡を作っていた。


「花びらみたいになってる」


 満足そうにそう言って、ユーゴは私の頬の口づける。目の前にある深紅の瞳が、優しく私を見つめている。


「体、大丈夫か?」

「……ええ、大丈夫よ」

「良かった」


 ユーゴがにっこりと笑う。まるで天使のような笑顔を見て、思わず気遣ってくれてありがとう、と言いかけたとき。


「じゃ、もう一回できるな」

「……なんですって?」


言うが早いか、ユーゴはすっかり回復して屹立した自分のものを、私の入り口に押し付けてきた。


「あ、ちょっ……!」

「お、すんなり入るな」


 ヌププ、といやらしい音を立てて挿入を進めながら、ユーゴがペロリと唇を舐める。確かに、彼がさっき出したものが潤滑油のようになっているのか、彼のものは抵抗なくずずずっと奥まで入っていった。


「んっ…あ、ああっ…」

「…飲み込まれるみたい……」


 ユーゴが腰を進めながらふぅっと嘆息する。そして、ゆっくりと、力強く抽送を始めた。ぷちゅ、にゅぷっ、と先ほどよりも大きな音が響いて、耐え切れないほど恥ずかしい。


「あっ…ん…はぁっ……」

「つながってるとこから、すごい音してるぞ、ヘザー。そんなに気持ちいいの?」

「んんっ…やだ……そんなこと……!」

「おまえの中、ぐっちゃぐちゃで熱くて、すごいことになってる」


 ユーゴが容赦なく私の羞恥心を煽り立ててくるので、なんとかそれに抗おうと、腰を引いて快感から逃れようとした。それでも体は正直で、ユーゴのものが内側を強く擦り上げるたびに、唇から矯声が漏れ、膣の内側がしがみつくようにユーゴのものを締め上げ、快感を享受してしまう。


「はぁぁっ…ん、んんっ……ふぁ…」

「ここ、気持ちいい?」


 ユーゴがにやりと笑って、私の膣の上側のほうを擦る。そこに何かコリっとしたものがあって、それを突かれると、私はもう理性が効かなくなってしまった。


「あぁっ…!!ん、やだ、それ…!んぁっ……は…」

「あーすげぇ、中ビクビクしてる…」


 ユーゴが私の中をかき回すように腰を動かし、私はたまらず背中を逸らす。


「ふぁっ……あ、ンん…はぁっ……!!」

「…軽くいってるな」


 ため息まじりに低くつぶやいて、ユーゴはぎゅっと私の体を抱きしめた。そしてそのまま、激しく抽送を始める。


「あっ、あっ…はぁっ…激しい…っ…」

「すごい、中が絡みついてくるぞ…」


 耳元でそうささやきながら、ユーゴはさらに動きを強める。膣の一番奥をグリグリと抉られて、抜け落ちるギリギリまで腰を引いて、また一気に根元まで押し込まれる。じゅぷ、ちゅぷっという結合部の音も激しさを増す。

 また耐え切れない快感が私の内側からぶわっと広がっていく。経験したことのない快感の高まりに、私は怖くなって彼の腕にしがみついた。


「んっ、ああっ、ユーゴ……はぁっん……!」

「ヘザー」


 優しく名前を呼ばれると、膣の中がビクンと反応してしまう。ユーゴはとろけそうな優しい目で私を見て、それから激しくキスされた。彼の舌が、私の口内を責め立てる。


「ふっ…ん……」


 キスを続けたまま、彼の腰の動きが小刻みになってくる。ズリズリと膣壁の上側をこすられて、私はもう我慢できずに快感の渦に身を任せた。


「んーっ…!!!!!」


 ビクン、ビクンと自分の内側が激しく痙攣するのがわかる。頭からつま先まで、ドロドロに溶け切っていくようだ。同時に、ユーゴも果てたようで、彼のものが私の中でドクドクと脈打つのがわかる。そして、温かいものがお腹の中に広がっていく。

 私の中に放出しながら、ユーゴがゆるゆると腰を揺する。彼の精で満たされた中をかき混ぜるような動きが、私をまた一段高い快感へと引っ張って、私はそのまま気を失ってしまった。

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