第5話 破瓜

「落ち着いたか?」

「うん……なんだったの、これは…」

「俺がここに入る、準備ができたってことだよ」


 ユーゴの指が、また浅く私の膣の中に入ってきて、思わず体が反応してしまう。


「あっ…」

「すごい濡れてる」


 耳元でささやかれて、ゾクリと肩が震えた。「もう我慢できねーよ」と低くつぶやいて、ユーゴが体を起こす。自然と彼の下半身に視線を向けてしまい、思いっきり立ち上がった彼のそこをまじまじと見つめてしまう。

 大きくて、凶暴な形のそれが、これから私の中に入ってくるのだ…。


「そ、そんなに大きいの…入るかしら……」


 思わずそう言うと、ユーゴがガクッと肩を落とし、苦笑しながらいたずらっぽくにらみつけてくる。


「おまえはまた、そういう煽るようなことを…」

「だ、だって不安で…」

「大丈夫だから、俺に任せて」


ユーゴは安心させるように私に口づけて、それからゆっくりと彼のものを私の入り口に擦り付けた。思っていた以上に熱く硬いものを感じて、体がビクッと震えた。


「あっ……」

「……いいんだな、俺で」


 ふーっと息をついて、ユーゴが真剣な目で見つめてくる。私は反射的にうなずいた。


「そうよ、あなたがいいの。お願い」

「……それが反則だっつーの」


 聞こえないくらいの声で小さくつぶやいてから、ユーゴがゆっくりと腰を進める。私の濡れ切った入り口が、その動きに合わせてぷちゅ、と音を立てる。


「んんっ……!」

「力抜いて」


 彼の大きなものが侵入を始めると、ものすごい存在感を伴って、ずずずっと狭い入り口をこじ開けようとしているのがわかる。


「んっ…ふぅっ……」


 思わずギュッと目を閉じると、耳元でユーゴが、あまり余裕のなさそうな声でささやく。


「ゆっくり息して」

「ふっ……」


 深呼吸するように大きく息を吐いた瞬間、ユーゴのものがグイッと奥に入ってきた。あ、今、破瓜したのだと、はっきりわかる痛みが走る。


「入ったぞ」


 額を汗で光らせたユーゴが、小さく息をついて笑う。まるで子どものような無邪気な笑顔は、出会ったときからまったく変わっていない。私は思わず、彼の首元にぎゅっと抱き着いた。


「大丈夫か?痛かった?」


 私を気遣う優し気な声が、じんわりと涙を誘った。私は何度もうなずいて、彼のたくましい首筋に顔をうずめる。

――私、たぶん、ずっとユーゴのことが好きだったのだわ。友情の延長線上にある、あまりに淡い恋心だったから、自分でも全然気づかなかった。きっと、こんなことにでもならなかったら、永遠に自覚しなかっただろう。

だけど、結婚前にだれかの処女を捧げようと思ったとき、真っ先に浮かんだのはユーゴの顔だった。


「ユーゴ、ありがとう」


 思わずそう言うと、ユーゴは驚いた顔をして深紅の瞳を見開き、それからすっと目を細めて真剣な表情になった。


「俺こそ、ありがとう。俺を選んでくれて」


 ほとんど聞き取れないくらいの、とっても小さな声だった。それから、ユーゴはまたいつも通りの飄々とした表情に戻ってにやりと笑う。


「なんか勝手にこれで終わり感出してるけど、まだ何も終わってないからな」

「え?」

「むしろ、これからが本番だから、覚悟しろよ」


 次の瞬間、ユーゴがゆっくりと抽送を始めた。まるで太い杭のような彼のものが、私の内側をずりずりと擦り上げる。


「ん、あっ…!」

「痛い?」

「んんっ……だ、大丈夫…」


 私はあわてて首を振る。痛いというよりは、異物感がすごい、という感じ。熱く硬いものにお腹が押される感覚に、まだ体が慣れない。

 ずいぶん奥まで入れられたような気がしたけど、恐る恐る薄目で下のほうを確認すると、彼のものはまだ半分も入っていないように見えた。ユーゴは時々苦しそうに顔をしかめながら、ふーっと息を整えて、ゆるゆると腰を動かす。


「すごい濡れてるから大丈夫だと思うけど…痛かったら言えよ」

「うんっ…あ、あぁっ……」


 ユーゴが腰を動かしながら、私の性器の表面にある、一番敏感な突起部分を指でいじってくる。さっき味わった強烈な快感の感覚がよみがえってきて、背中がビクリと震える。膣の奥のほうから、じわりとまた液体が染み出てくる気がした。


「んんっ…はぁ、あっ……そこ触られてると……」

「気持ちいい?」

「な、なんだか……体が、ふわって、おかしいっ…の……」

「いいんだよ、気持ちよくなって」


 ユーゴの指が、少しずつ動きを早める。それと同時に、少しずつ彼のものが私の膣の中へ深く沈んでいく。全身が熱い。彼の指がこすっている部分が、とろけるように快感を生み出して、体のすみずみへと広がっていくようだ。


「あぁっ…ん…んっ、はぁ……」


 自分のものとは思えない、甘ったるい嬌声が勝手に口から出てくる。はしたない、と頭ではわかっているけど、どうしても我慢できない…!


「あっ…だめっ……あっ、あ、んんっ……!」


 さっきみたいに、また快感の波が高まってきた。背中が浮き、足に力を込めてしまう。


「締め付けがやばい……」


 ユーゴが苦しそうにつぶやいたけど、彼を気遣う余裕なんてなかった。自然と涙が出てきて、私はぎゅっとシーツを握りしめる。


「あ、あ、あっ…んんーっ…!!!」

「…っ……」


 私はこらえきれず、快感の波に身を投げ出した。膣の内側がぶわっとうごめいて、ビクン、ビクッと痙攣しているのがわかる。その動きに合わせるように、さらにユーゴが自分のものを私の奥へと進めてくる。


「あ、あっ…んっ…」

「はぁっ……」


 苦しそうに息を吐きながら、ユーゴが私の頭を抱きしめるように抱え、ずずずっと腰を押し出す。私はまだ足先まで走る快感の波の中にいるのに、さらに膣の内側を擦られる新たな感覚に責められて、ただ必死に彼の腕にしがみつくことしかできなかった。

 そして次の瞬間、彼のものが私の一番奥に、グリグリと押し付けられるのを感じた。


「あっ…はぁ…ん、奥に……」

「全部入ったよ」


 ユーゴが体を起こして、ちょっとだけ微笑んで見せる。私も笑い返したかったけど、とてもそんな余裕はない。自分の中に、滾りきったユーゴの形を、かなりはっきりと感じてしまう。ユーゴがほんの少し動くだけで、内側をゴリっと硬いもので擦られて、じわじわと刺激が広がっていく。

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