第2話

「レイ!お前だけでも逃げるんだ」


「なんで私だけなの、おじいちゃん!なんで?!」


「いいか、あのロボット達はこの国の人間を全員抹殺するため国民すべてのデータが入っている!でも、お前のデータはロボットの中に入っていない!どうせワシらが今逃げたところで後々殺される。だから、お前だけしか生き残れないんじゃ!いいから入れ!!」


「どういう事?ねぇ!!おじいちゃん!...」


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「はっ!?」


またいつもの夢だ。

毎晩のように同じ夢を見る。

あの日のことなんて二度と思い出したくないのに。


「おはようけーちゃん」


「ピピ...起床予定時刻マデ後1時間12分ありマス」


「今日は早めに出ることにしようか」


「カシコマリマシタ」


布団をめくり立ち上がる。

背伸びをして洗面所に向かう。

洗面所と言っても、外で拾ったボロボロの鏡を水をきれいにする機械の

横に取り付けただけのものだ。

かたい蛇口をひねり大きな機械から綺麗な水が出てくる。

その水を手に取る。


「冷たっ」


この機械にはHOTとICEが書いてあるが壊れているのかHOTのほうに

蛇口をひねっても冷たい水しか出てこない。


冷たい水で顔を洗い歯磨きを済ませる。

朝のルーティーンが終わったところで今日は少し遠くの

大きめの街に向かおうと思うので早めに準備をする。


年季の入ったリュックサックに水の入ったペットボトルと

レーションを入れて玄関へと向かう。


「行くよ~けいちゃん」


「カシコマリマシタ」


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ギ...ギギギ...ガシャン...


階段の先に入ってくる日の光。

ここから見る景色はあのころと変わらない。

一生この階段が続けばいいのになんて思うこともある。


階段を登り外に出ると日の光があったかくて、雲一つない空が

広がっていた。

一度大きく深呼吸をする。


「けーちゃん街の方向はどっち??」


「南西に24度の方向デス。」


「わかりづらいなぁ。どっちの方向か向いてくれる?」


「コチラデス」


「よし、行こう!」


歩きながら空を見上げ考える。

今から行く街、沈んでないといいけどなぁ。



私の国は戦時中、爆弾の衝撃がプレートに影響を与え地殻変動が起きた事

そして海面上昇による影響で国内都市の三割が沈んでしまった。



誰もいない道路を歩く。

四車線もあるこの道路は大都会とは言わずとも人で賑わっていた。

道路の左右には様々な飲食店に服屋、ロボットショップだったものの

残骸がある。


「なんか使えるものないかな?」


ロボットショップだったもの瓦礫をどかし残骸をあさる。


「う~ん。さすがにないか。」


瓦礫をどかしても出てくるのはゴミと壊れたロボットだけだった。


「ん?なにこれ」


何やら瓦礫の中で赤い光が点滅している。

その謎の光の正体はすぐに分かった。


ギギギ...ピピ...ピピ...


あの時、私の家を焼き尽くしたロボットだ。












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