第7話 バーニーの人集め

翌朝目が覚めると、ミラが裸のまま隣に寝ている


「うぇ!?」


ミラは先に寝たはずだし、僕は床で寝たはずなのに、今僕はベッドの上で自分も裸の状態だ


「あら・・・おはよう」


「おはようございます・・・」


「昨日はすごかったわね、バーニーよりも激しいとは思わなかったわ」


「えっ・・・すいません全く記憶が・・・」


ミラの言っている事が分からずに、言葉通り自分にはまったく記憶がなかった


「・・・そうなの?まぁいいわ」


目が覚めて行き、ミラの豊満な体をみていると昨日あった出来事が思い出されていく


確かに自分はミラとやっている・・・何回も、何度もお互いを慰めあうかのように抱き合っている・・・


うわ・・・最悪だ・・・


ベッドからおもむろに立ち上がると、あたりに散らばった服を集め着て行く


「ねえノエル、ここに住んでもいいわよ?」


「え?」


そしてまた唐突にベッドに寝転んだままの僧侶が言う


「お金貯めてるんでしょ?ここいたら宿代も食事代もかからないわ」


「えっ・・・それは流石に迷惑じゃ」


「いいのよ、一人だと寂しいと思ってたわ。教会から貰う食材も一人じゃ消費出来ずに捨ててしまって勿体ないのだから」


「正直僕はミラとPTを組んでもらえているだけでも、大きな貸しなのに、それ以上をしてもらっても僕から何も返せませんよ」


「ダンジョンにいる間と家にいる間は私の支えになりなさい。それが条件よ」


「支え?」


「そう」


「それはどういったことを・・・」


「大丈夫よ、あなたはもうやってくれているのだから今まで通りでいてくれたら」


「・・・意味が分かりませんが、正直生活には困っているので安易な考えかもしれませんが、僕ここに住みついちゃいますよ?」


「いいわ、すぐに宿を引き払て、荷物をもっていらっしゃい」


とんとん拍子で話が進み、僕はミラの家へと転がり込むことになったのだ


ギルドの部屋を引き払い、少ない荷物をもって宿舎を後にした


もう一度ミラの家にくると、周りは同じような建物が並んでいるのが明るいとよくわかり、ここ周辺の家は全て僧侶が寝泊まりしている宿舎なのだと分かる


少し迷いながらもミラの家にたどりつき、中に入ると


「おかえりー」


そんな声を掛けてくるのだ


「ただいま・・・」


少しその言葉に恥ずかしい気持ちになり声が小さくなる


「あら、荷物すくないのね」


「余分な物を買う余裕がないので」


「そう、何か必要な物があれば言ってね、一週間の支給日にもらってくるから」


「それ、教会従事者じゃない僕が使ってもいいんですか?」


「えぇいいわよ」


すごい手厚いな・・・まぁその分蘇生を覚える事がハードな道のりなんだろうな


「分かりました、何か思いついたらお願いします」


荷物を置くと、ミラは僕をつれて寝室へと向かう


最初勘違いした時は初めてといっていたが、バーニーとやってから目覚めたのか僕はミラにされるがままついて行く


僕だって美女とベッドに入れるなんて、断る理由もない為僕らはそのまま翌日の朝まで何度も行為をくりかえしたのだった



散々ミラとやった後に、今日はバーニーが新メンバーを連れてくると言っていた日になった


2人で集合場所の酒場に行くと、バーニーはテーブルにつき、その前に3人の姿があった


「おっ二人ともきたな。こいつらが新メンバーだ」


僕らが席に近づいたと同時に、バーニーは3人の紹介を始めた


猫耳の獣人の戦士職サマリア、ハーフエルフの魔法使いのミスリア、ヒューマンの戦士バングル


そう紹介されて、僕らも自己紹介をする


バーニーがどうやって集めたのか知らないが、3人ともPTに誘って貰って感謝を述べている様子だ


明日ダンジョンに潜る事を決めて、その日は3人は帰って行った


残ったのは僕ら旧メンバー


「すごいですね、どうやって集めたんですか?」


「ダンジョンの前で待ってただけだぜ?俺達同様にPTメンバーを失ったやつらを探してただけだな」


シンプルだが一番、探すのに適した方法だった


「・・・賢いですね」


「まぁ2日ねばったけどな、どうよ俺もやるだろ」


「いえ、最初からバーニーは頼りになると思ってましたが、更に見直しましたよ」


「お?そうだろ、ミラもそう思うか?」


「えぇ、これでPT活動ができるわね」


「だろ?どうだ、今日一晩相手してくれねーか?」


「・・・それはお断りよ」


「ちっダンジョンではあんなによがっていい声だして鳴いてたのによ」


「う、うるさいわ」


バーニーはまだミラを誘っているが、僕は止めはしない。僕はミラと体の関係はあるが恋人というわけではない


お互いの利益の為のビジネスライクな関係だった為、ミラがバーニーともしまた寝たとしても僕にとやかくいう権利はないのだ


「ノエル、帰りましょう」


「分かりました、ではバーニー2日後よろしくお願いします」


「帰るって二人どこか行くのか?俺もつれてってくれよ」


「いえ、私の家に帰るのよ。ノエルはそこに泊まってるから一緒に変えるだけよ。さようならバーニー」


「は?お前らそんな関係だったのか?」


「違うわ、お互いの為よ。もういいでしょいきましょうノエル」


説明もめんどくさい様子に、ミラは席を立つので僕も続いて席を立ちミラに続く


バーニーも僕の後ろを付いてくるので、このまま一緒に家にくるつもりなのだろうか


「なあお前、ミラと寝てるのか?」


「はい」


「・・・いつからだ?」


「前回、ダンジョンから帰ってからですね。拾われた感じです」


「くっそー、俺ももう少し優しくしとけばよかったぜ」


「別にノエルが優しくしてくれたからってわけじゃないわ」


そんな会話を3人でしていると、ミラの家にたどり着いた


「へー一軒家かよ・・・流石僧侶様だな」


「・・・招いたつもりはないのだけれど?」


「まぁいいじゃん、PT同士交流しようぜ」


ミラはバーニーに押され中に入っていく為、押しに弱いんだなと感じながら最後に続いた


「・・・ノエル、すぐに食事を作るわね」


「おっラッキー、ミラの手料理か」


「あなたの分はないわ」


「そんな冷たい事いうなよ、俺が力つけとかねーとPT全滅するぞ」


「・・・」


ダンジョンの事が頭をよぎるミラは黙って料理を始める


「ミラ、手伝いますよ。これむげばいいんですね」


「・・・ありがとう、流石私の支えね」


ミラを元気づけるように笑顔で言うと、ミラもそういいながらほほ笑んだ


食事をとり終わるも、バーニーは一行に帰る気配は出す感じはない


「そろそろ帰ってくれるかしら?一応ここに住んでいいのは二人までって決まってるのよ」


流石に教会でも無制限というわけではないようだ


「えー、いいだろもう少しぐらい。俺のことは気にせずゆっくりしていいからよ」


後片付けをしていると、手伝う素振りもなく本を読み始めた


「はぁ・・・ノエル、今日は私一人で先にお風呂はいってくるわね」


「はい、どうぞ」


この2日間、一緒に入っていた為のミラのセリフだった


「は?お前ら風呂も一緒かよ、ミラ俺と入るか?」


「・・・いやよ、ノエルそいつが近づかないか見張っててね」


「はい、でも力づくだと負けますよ」


「・・・流石に駄目といわれたら俺もノエルに怪我をさせてまでいかねーよ」


その言葉を残しミラはお風呂場へ消えた


「はぁー、お前羨ましい生活おくってんだな」


「はい、ミラのおかげでラッキーでした」


「ダンジョンでも役に立たないお前がな・・・いや役に立たないは言い過ぎか悪い」


「いえ、本当の事なのできにしません」


やはりバーニーは何だかんだで、僕の事を邪険にすることはなくなったようだ


そこから少し二人で話をしていると、ミラがでてくる為に


「ノエルいいわよ」


「はい」


ミラと入れ替わりで、お風呂へ。毎日お風呂に入れるのもミラのおかげだと、常々感謝の気持ちは忘れない


お風呂をあがると、リビングには二人の姿はなく。ミラの声と肌を打ち付ける音が寝室から響いてくる


まぁやっぱりなと思いながらも、寝室の扉をあけると・・・ベッドの上で裸に転がされ後ろから突かれているミラの姿がそこに


「おっ遅かったな、ノエルも混ざれよ。こいつやっぱいい体してるぜ」


バーニーは僕に気づきながらも、その腰を止めることなく会話を始める


「一応聞きますがミラ、嫌々じゃないんですよね?」


「あぁ、少し抵抗したがな・・・この声きけよ。嫌そうじゃねーよな」


「・・・まぁ確かに、それだけ確認したかったので」


無理矢理じゃないならいいかと思い、寝室をでようとしたが


「ノエル・・・きて・・・」


ミラにそう言われると、拒否することも出来ず僕らは3人でそのまま朝まで楽しんだのだった

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