第2回 Copilot vs Bard  vs ChatGPT 校正 対決! 文章の校正は大切ですよね。

 投稿小説を書いている、物書きのみなさん、こんにちは。

 なつきコインです。


 こちらの講座は、動画にしてYouTubeで配信しております。

 文字だけで分かり難いところは、そちらもご利用ください。

 https://youtu.be/zAm67fqOsyY?si=4iB1wBFOrhE1jt02

 YouTubeから「なつきコイン」で検索しても見つけられます。


 第1回の講座はどうだったでしょうか、少しでも役に立てていただければ幸いです。

 さて、第2回の講座ですが、AIを使った文章の校正です。


 誤字脱字の多い文章は、読書の楽しみを損ないます。 読者のみなさんに、快適に読んでいただくためにも、文章の校正は大切です。


 かくいう私も、よくコメントで誤字の指摘を受けています。

 自分では、よく見直したつもりでも、見落としはあるものです。自分一人の力では限界があります。

 そこで活用したいのが、AIです。

 最近のAIでは、誤字脱字だけでなく、論理的な矛盾についても指摘できるようになったようです。


 とは言え、AIも完璧ではありません。最終的には自分で確認することが大切です。


 ということで、AIを使った文章の校正のやり方を紹介していきます。


 今回使用するAIサービスは、この三つです。

 前回も使用した、Microsoft Copilotと、最近、Gemini Proが日本語にも対応するようになり、試験運用中でありますが機能向上が図られた、google Bard、それに、文章生成AIとしてはこれが一番有名な、OpenAIのChatGPTです。


 この三つを比較しながら、使用方法をお知らせします。

 どれも現在は無料で利用できますが、ChatGPTについては、無料で利用できるのはGTP-3.5までです。

 GTP-4を利用したい場合、有料のChatGPT Plus にアップグレードする必要があります。

 CopilotはGTP-4を利用しているので、有料のChatGPT Plusと比較するべきかもしれませんが、今回は、あくまで「お金をかけたくない」という人向けに、無料版での比較になります。


 さて、google BardもOpenAI ChatGPT もMicrosoft Copilotと同じようにブラウザから利用できます。

 google BardやOpenAI ChatGPTで検索してページを開きましょう。


 初めて開く場合は、ユーザー登録を求められますが、google アカウントを登録すればいいでしょう。

 開いた後は、ブラウザのお気に入りに登録しておけば、次回、利用するときに便利です。



 開いた最初の画面を比較すると、どれも、画面下の方に入力枠と送信ボタンがあるのは、同じようです。


 Copilotは右側に、BardとChatGPTは左側に履歴が表示されています。


 Copilotは、会話のスタイルの選択ができますが、Bardには、そのような切り替えはありません。

 ChatGPTでは有料プランのChatGPT Plusにアップグレードすれば、GTP-3.5とGTP-4を選択できるようになります。



 それでは、実際にAIに校正をお願いしてみましょう。


 入力枠に次のように入力しましょう。


『以下の文章を校正してください。』


 その後に、校正したい文章をコピーし、貼り付けます。


 今回は、私が書いたSF短編小説『「一発屋のキキ」とロストプラネット』の冒頭部分をコピーし、貼り付けで入力してみます。

 文字数は四百文字弱です。


 入力が済んだら、送信をクリックします。


 しばらく待つと、校正結果が表示されます。


 Copilot、Bard、ChatGPTで同じ作業を行い、出力された結果は次のとおりです。

 原文を確認したい方は、カクヨムに投稿してある『「一発屋のキキ」とロストプラネット』をご確認ください。


 Copilot

 こんにちは、コピロットです。文章の校正をお手伝いします。


 以下のように修正すると、より自然でわかりやすい文章になると思います。


 一攫千金を夢見る宇宙船「コメット三号」のキャプテン「キキ」は、搭載型アシスタントAI「トト」と今日も宇宙を駆け巡る。

 今回のターゲットは、セクション4カノープス星系にあるといわれている「ロストプラネット」と、そこに眠る「最終兵器」だ。

 かつて、ヒトが移住したが、何らかの理由で放棄され、忘れられた惑星ロストプラネット。キキはそれを見つけて今回こそ巨万の富を得ることができるのだろうか。

 そして、最終兵器とは一体どんなものなのだろうか。


「キャプテン、惑星の周囲に障害物はありません。周回軌道に入りました」

「ステーションや宇宙船どころか人工衛星も見当たらないな。よしよし。ありがとうトト、このまま周回を続けて地上の様子を調査してくれ」


「了解しました。しかし、本当にロストプラネットが存在するとは、驚きです」

「フフーン。だから言ったでしょ、今回は確実な情報なんだよ」


 Bard

 ## 校正結果


 一攫千金を夢見る宇宙船「コメット三号」のキャプテン「キキ」は、搭載型アシスタントAI「トト」と共に今日も宇宙を駆け巡る。

 今回のターゲットは、セクション4カノープス星系にあるといわれている「ロストプラネット」と、そこにあると噂される「最終兵器」だ。

 かつて、人類が移住したが、何らかの理由で放棄され、忘れられた惑星ロストプラネット。キキは、それを見つけ出すことで巨万の富を得ようと目論む。

 そして、最終兵器とはいかなるものなのか。


「キャプテン、惑星の周囲に障害物なし。周回軌道に入りました。」

「ステーションや宇宙船どころか、人工衛星すら確認できないわね。よしよし。ありがとうトト。このまま周回を続けながら、地上の様子を調査してちょうだい。」


「了解しました。しかし、本当にロストプラネットが存在したとは、驚きですね。」

「フフーン。だから言ったでしょ、今回は確実な情報だって。」


 ## 変更点


「搭載型アシスタントAI「トト」と今日も宇宙を駆け巡る。」

 冗長な表現を削除し、「と共に」に変更。


「セクション4カノープス星系にあるといわれている「ロストプラネット」と、そこにある「最終兵器」だ。」

「といわれている」を削除し、「噂される」に変更。

「最終兵器」の後ろに句読点を追加。


「かつて、ヒトが移住したが、何らかの理由で放棄され、忘れられた惑星ロストプラネット、キキはそれを見つけて今回こそ巨万の富を得ることができるのか。」

 句読点の位置を変更し、文末に疑問符を追加。

「キキはそれを見つけて今回こそ巨万の富を得ることができるのか。」を「キキは、それを見つけ出すことで巨万の富を得ようと目論む。」に変更。


「そして、最終兵器とはどんなものなのか。」

「どんなものなのか。」を「いかなるものなのか。」に変更。


「ステーションや宇宙船どころか人工衛星も見当たらないっと。よしよし。ありがとうトト、このまま周回を続けて地上の様子を調査して」

「っと」を「わね」に変更。

「調査して」の後ろに句読点を追加。


「了解しました。しかし、本当にロストプラネットが存在したとは、驚きです。」

「です。」を「ですね。」に変更。


「フフーン。だから言ったでしょ、今回は確実な情報だって。」

 句読点の位置を変更。


 ## その他

 全体的に、句読点の位置や表記を修正しました。

 一部の表現をより自然な表現に変更しました。


 ## 補足

 上記はあくまでも一例です。他にも様々な校正方法があります。



 ChatGPT

 一攫千金を夢見る宇宙船「コメット三号」のキャプテン「キキ」と、搭載型アシスタントAI「トト」は、今日も宇宙を駆け巡っています。今回の目標は、セクション4カノープス星系にあるとされる「ロストプラネット」と、そこに存在する「最終兵器」です。かつてヒトが移住したが、何らかの理由で放棄され、忘れ去られた惑星ロストプラネット。果たしてキキはそれを発見し、今回こそ巨万の富を手に入れることができるのでしょうか。そして、最終兵器とは一体何なのでしょうか。


「キャプテン、惑星の周囲に障害物はありません。周回軌道に入りました」

「ステーションや宇宙船、人工衛星も見当たりません。よしよし。ありがとうトト、このまま周回を続けて地上の様子を調査して」


「了解しました。しかし、本当にロストプラネットが存在したとは驚きです」

「フフーン。だから言ったでしょう、今回は確実な情報だと」




 それでは、それぞれの比較結果です。

 Copilot、ChatGPTは校正して、修正後の文章のみが出力されています。

 Bardは、修正後の文章に加えて、変更点も出力されました。


 出力にかかった時間は、ChatGPTが一番早く、続いて、Bard、出力された文字数が一番多いので、ChatGPTより遅かったのは仕方がないでしょう。

 一番遅かったのは、Copilotで、出力した文字数がBardの半分以下なのに、出力が終わったのが最後でした。


 校正内容は、三者三様ですが、下記の部分を読み比べると、一般的に良さそうなのが、Bardです。ただ、キャラ設定を考えると、Copilotのほうが適しています。

 ChatGPTの、「見当たりません。」は、ちょっと不自然かな。

 それと、Bardは会話文の最後に句読点を追加しています。小学校の作文ならそれで正解なのでしょうが、小説となるといただけません。


 原文

「ステーションや宇宙船どころか人工衛星も見当たらないっと。よしよし。ありがとうトト、このまま周回を続けて地上の様子を調査して」


 Copilot

「ステーションや宇宙船どころか人工衛星も見当たらないな。よしよし。ありがとうトト、このまま周回を続けて地上の様子を調査してくれ」


 Bard

「ステーションや宇宙船どころか、人工衛星すら確認できないわね。よしよし。ありがとうトト。このまま周回を続けながら、地上の様子を調査してちょうだい。」


 ChatGPT

「ステーションや宇宙船、人工衛星も見当たりません。よしよし。ありがとうトト、このまま周回を続けて地上の様子を調査して」





『以下の文章を校正してください。』だけでもこのように校正してくれますが、より、校正の精度を高めるために次の項目を入力するといいでしょう。


『以下の文章を校正してください。


 #目的:

 #対象読者:

 #文章のテーマ:

 #希望する文章のスタイル:

 #特に注意してほしい点:

 #修正案の提示方法:


 #文章:

 """


 """』


 目的には、ビジネス文書、レポート、ブログ記事、小説などを入力します。

 対象読者は、取引先企業、小学生児童、PTA保護者、若者など。

 文章のテーマは、新製品の発表、学級だより、恋愛、異世界など。

 希望する文章のスタイルは、フォーマル、カジュアル、親しみやすいなど。

 特に注意してほしい点は、 誤字脱字、文法誤り、表現の不自然さなど。

 修正案の提示方法は、 直接文章に書き込む、別途コメント欄で提示するなど


 校正可能な項目には、誤字脱字、文法誤り、句読点の誤り、表現の不自然さ、冗長な表現、わかりにくい表現、漢字の誤用、送り仮名の誤り、固有名詞の誤り、論理的な矛盾、文体を揃えるなどがあります。


 #文章:の後の「"""」トリプルクォーテーションの間に、校正したい文章をコピペします。

「#」や「"""」は、指示部分と文章部分を区別できるように使用しています。


 入力する文字列のことをプロンプトといいます。

 プロンプトを書くときに、「#」や「"""」は意味があります。

「#」は、プロンプトの指示文を示す記号です。

 指示文は、AIに特定のタスクを実行させるための指示や質問を伝える文章です。

「"""」は、プロンプトの背景情報を示す記号です。

 背景情報は、AIに対して特定の専門家やキャラクターを設定したり、回答の精度を上げるための情報を与える文章です。

 例えば、以下のプロンプトでは、


 """

 あなたは英語の先生です。

 """

 # この文章を英語に翻訳してください。

 私は犬が好きです。


「"""」で囲まれた「あなたは英語の先生です。」は背景情報で、AIに英語の先生という役割を設定しています。

「#」で始まる「この文章を英語に翻訳してください。」は指示文で、AIに翻訳というタスクを実行させています。

 このように、「#」や「"""」は、プロンプトの構造を明確にするために使われます。

 プロンプトの構造が明確であれば、AIの応答精度も高まります。

 プロンプトを書くときには、「#」や「"""」を上手に使ってみてください。



 とは言うものの、使わなくても、なんとかなります。



 では、実際にやってみましょう。



 以下の文章を校正してください。


 # 目的: Web投稿用、SF小説

 # 対象読者: 30代から50代、男性

 # 文章のテーマ: スペースオペラ

 # 希望する文章のスタイル: ライトノベル風

 # 特に注意してほしい点: 誤字脱字、漢字の誤用、文法誤り、句読点の誤り

 # 修正案の提示方法: 修正すべき箇所のみをリストで表示、修正後の全文を表示する必要はありません


 # 文章:

 """

 ここに、自分の小説の原稿をコピーして貼り付けます。

 """


 今回は、私が書いたSF短編小説「一発屋のキキ」危機一髪をコピー、貼り付けで入力してみます。

 文字数は三千文字弱です。


 入力が済んだら、送信をクリックします。

 三千文字と長いので時間がかかりますが、出力された結果は、次のとおりです。




 最初に、Bardですが、文章が長すぎて処理できなかったようです。

 文節で区切って、何度も繰り返していけば処理はできますが、現段階では長文の校正には向かないようです。

 試験運用中ですから、仕方がないでしょう。


 ChatGPTは、無事に出力されましたが、出力文字数が多すぎて、途中で止まってしまいます。

 そんな時は、「生成を続ける」、のボタンをクリックしましょう。

 続けて出力されていきます。

 出力された内容ですが、修正箇所をリストで出力するように指示したのですが、修正後の文章が出力されてしまいました。


 Copilotは、無事に出力されました。出力文字数が多すぎて、途中で切れてしまう場合。

 入力枠に


『途中で切れました。続けて出力してください。』


 と入力し、送信してください。続きが出力されます。

 きちんと、修正箇所のリストが表示されました。修正箇所が多すぎて、げんなりしてしまいます。

 まとはずれの指摘もあるので、よく内容を確認する必要があるでしょう。



 今回、Bardは結果が出ませんでしたから割愛するとして、ChatGPTとCopilotなら、速度を取るならChatGPT 、内容を取るならCopilotとなるでしょうか。

 ですが、これはChatGPTが無料版のGPT-3.5の場合です。有料版ならCopilotと同じGPT-4を利用できますから、結果は変わってくるでしょう。





 いかがだったでしょうか。


 自分では気づけなかった修正点がいくつもあげられたと思います。

 しかし、必ずしもAIの出した修正が正しいとは限りません。

 自分でよく考えて、取捨選択していくことが大切です。

 AIは文章の改善に役立つツールですが、最終的には自分で判断して修正する必要があります。

 AIの指摘を参考に、より良い文章を目指しましょう。


 そして、AIに頼り切るのではなく、AIを有効活用しながら、自分の文章力を高めていきましょう。

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