第13話知らない場所
「うっ……ここは?」
私が目覚めるとそこには咲奈の姿は無く、まずさっきまで居た場所と違うことに気がついた。
「咲奈?どこなの?」
私は咲奈を呼びながら頭の中を整理した。
「確か咲奈に近付いて……それから?」
私は咲奈を抱き締めようと近付いた。
そこまでは憶えているが、そこからの記憶が一切無かった。
「いやまずは周囲の安全確保だ……頭を整理するのはいつでも出来る」
私の頭はすっかりこの状況に慣れたのか、以外にも冷静だ。
部屋は真っ暗だったが、目も少しずつ慣れて、周りの確認が出来るほどになってきた。
「……ここは図書室かな?」
周りには沢山の本棚があり、すぐに理解出来た。
図書室の中は外とは違い、とても静かで化け物も一切居らず時計の針が動く音しか聞こえなかった。
「せっかく咲奈と合流出来たのに……また離れ離れになっちゃったな」
私はそう呟き、部屋を後にする為にドアを探した。
暗い部屋の中を探索して、やっとの思いでドアを見つけ、部屋を出ようとドアノブに触れようとした瞬間、後ろの本棚からバサッと音が鳴った。
「……今何か鳴った?」
部屋の中には化け物の気配は一切なかったのに、音が鳴ったので警戒しながらゆっくりと音の発生源へと近付いた。
「……本?」
そこにはこの街の伝承が書かれた一冊の本が落ちていた。
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