第4話覚悟
私は、お姉ちゃんにお母さんが居ない理由を聞いた。
お姉ちゃんは、お母さんと山に入った後、逸れてしまい自分だけはなんとか帰ってこられたと、自分達が助けに行っても迷子になっちゃうから警察に任せようと。
私も納得していた。
私達が行っても、意味がないって分かったから我慢しようとしたのに。
「咲奈がまだ小さくてよかった……あんな即興で考えた苦し紛れの嘘、小学生以上には通じないよ」
お姉ちゃんは私にウソをついていた。
私はお姉ちゃんがウソをついた理由が、私には分からなかった。
「お姉ちゃんの嘘つき……」
私は音を立てないように、自室へ戻って行った。
「私がお母さんを見つけてお家に帰ってくるんだ……」
私は、お姉ちゃんにバレないよう部屋に戻ったあと、家を出る準備をしていた。
うさぎのポーチに少しのお菓子を入れ、お人形さんも入れた。
「よし……」
お姉ちゃんの部屋は、私の部屋の前を通っていかないと行けないため通ろうとすれば少しでも音がするから気付くことが出来る。
でも私が、準備している時一切の物音がしなかった。
「お姉ちゃんはまだリビングなのかな?」
私がリビングを覗くと、テーブルに伏せて寝ているお姉ちゃんが居た。
「寝てる……?」
私はお姉ちゃんが、寝ていることを確認してから玄関へ向かって、靴を履いた。
「うん……これでよし……」
もしかしたら私も迷子になって帰れなくなるかもしれない。
そんな考えが浮かんできて、一気に不安になってしまった。
「ううん……私なら大丈夫、大丈夫」
私は自分に言い聞かせ
「行ってきますお姉ちゃん」
覚悟を決め、家を出た。
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