第5話 「病院ロビーの不成仏霊たち」
主人の友人が入院している病院にお見舞いに行った。そこは、リハビリ施設と介護老人保健施設を兼ねている。意識不明の方や余命わずかの高齢者が数多く入院している。寝たきり状態の人も多い。
お見舞いの後、帰り際に急に睡魔が襲ってきて、主人の運転する車の中で爆睡した。夢で見たものは、さっき行った病院のロビー。実際にはその日は日曜日だったので、ロビーには誰もいなかった。しかし、夢の中ではお年寄りがたくさんロビーに座っている。車椅子の人もいる。よく見ると、あるお年寄りは炊飯ジャーを抱きかかえ、
「もっとご飯が食べたかったのに」
と言っている。
また、別のお年寄りは
「わしが入院していても誰も見舞いに来なかった!」
と不機嫌な顔で爪をカリカリ噛んでいる。みんな成仏できていない。
「こうしてほしかったのに」という何かを欲しがる気持ちが強すぎるからだ。仏教では古くから執着を取り去ることを教えているが、その大切さを痛感する。
とにかく、思い残しのないように生きたいものだ。死後第一声、あなたは誰に何を語りますか?
シャーマン議員 サリー @w04as13san
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