二話目

あれ...?ここどこだ?


俺は見慣れた家で目を覚ます。


「おはよう。レッド。」


嬉しい気持ちと悲しい気持ちの両方が混ざり合う複雑な表情をしている。母さんだ。


「貴方が帰って来ないから、どこの場所に向かっていたか、聞いたの。」


申し訳なさそうに言う。


「そうか...心配かけてすまない。」


俺はベットから立ちあがろうとする。


だが、激痛がそれをやめさせた。


「ぐぅ...?」 

 

「回復力を上げただけ。完治はしていない。」


そうして、母親が意を決したようにして言う。


「レッド。貴方は学校に行きなさい。私の事は気にせず、普通の人生を歩んで欲しい。」


そんな事を急に言われても。分かったとは言えない。俺は首を横に振ってそれを断る。


「俺は...家族、母さんを支えるって誓ったんだ。それに、もう殺し屋だ。辞める事なんて出来ない。」


その言葉を予想していたのだろうか。全て反論されてしまった。


「私はもう、自分で働けるし、充分支えてもらった。それに、殺し屋は3年ほど、休暇を貰ったわ。社会勉強して来いだってさ。」


こんな時だけいい顔しなくていいのにボス...


俺は溜息を吐きながらも、少し嬉しくなった。


「それじゃあ、行かせてもらおうかな。」



 心の壊れた少年はこれから学校に行く。



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