第三話(改訂版)

 俺は近くの高校に編入する形らしい。遠くでは母さんを守れない。だから近くの高校にしてもらった。


 ついでに弓矢を持っていくことは禁止らしい。殺し屋なのに。よく分からない。


 堅苦しい制服を着る。こんなに機動力が劣る服装も中々無い。中学でよく着てたな。と感慨に浸る。


「いってらっしゃい。」


 母さんの優しい声に


「あぁ。」


 と答える。


 ――――――


 学校に入って職員室に入る。


 すると、一人の先生に話しかけられた。


「レッド君だね?自分が君の担任だ。よろしくね。」


 良い先生のようだ。まぁ、嫌な先生なら後で殺していたが。


「よろしくお願いします。」


 先生はニコリと笑う


「クラスに行こうか。」


 ――――――


「レッドだ。よろしく。」


 自己紹介をしろと言われたのでぼちぼち返す。


 周りのクラスメイトを見回す。


 全員、弱い。


 立ち振る舞い、恰好、覇気。全てを見ても、ここにいる人物は強くない。


 すると、ある一人の男が目に留まる。


 右端の席に座っている。興味がなさそうに、ぼぉっとただ外を見続けている。


(リストの男だ…)


 賞金首を隠語でリストと呼ぶ。


 こいつを殺せば、金が手に入る。そうすれば、母さんを支えれる。


 ずっと見つめていたからなのか、目が合った。


 なに?


 雰囲気は確かに似ている。だがよく見ると、女だった。


 期待した俺が馬鹿だった。こんな所にいるはずがないよな。


 すると。小さな。常人には絶対に聞こえない小さな音が聞こえる。


 パリィン、と。


 その後に、とても細く、透明性の高い、一本のに襲われた。首を絞めようとしていたらしい。窓に数ミリの穴が開いている。


 これは、まずい。外に敵がいる。学校で白昼堂々と襲ってくるとは。かなりの猛者かただの馬鹿なのか。ひとまず、何も持っていないが、行ってみるか。


「すみません。トイレ行きますね。」


 俺はひとまず声をかけ、廊下に走る。


「レッド君!トイレ分からないだろ!」


 男の先生が叫びがちに言うが、知ったこっちゃない。


 だが、あの女。ずっと見ていやがった。なんなんだ。


 ――――――


 あの青年。レッドと言ったか。がするな。


 もしかしたら同業者か?ひとまず、行ってみても悪くないだろう。


「先生ー私が行きますよ。」


「七瀬。行けるっても問題が色々あるだろ。自分が行くぞ。」


 知るか。ボケ。


「それじゃ!」


「おい?!まて!七瀬!」


 会ってみる価値は、ある。




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